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初期がん発覚公表の日証協会長が「治療は私の一里塚」とメッセージ、高市政権への“期待”も

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2026.02.25
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初期がん発覚公表の日証協会長が「治療は私の一里塚」とメッセージ、高市政権への“期待”も

初期段階のがんを公表した日本証券業協会の日比野隆司会長。18日の定例記者会見は欠席しましたが、幹部が代読したメッセージの中で、衆院選での歴史的大勝を果たした高市政権に対する期待を述べました。27年1月開始予定のこどもNISAが富裕層優遇であるとの指摘に対し、副会長が反論する場面もありました。

協会長の職務は継続

会見当日、欠席した日比野会長から届いた次のメッセージを、岳野万里夫副会長が代読しました。

 

「実は先日、病院で診察を受けた結果、比較的初期のがんであることが判明しました。主治医とも相談の上、これから治療を行っていく方針を固めたところです。治療は根治に向けて、5月ないし6月ごろまでの間、入退院を繰り返しながら進めていく予定です」

「一定期間、抗がん剤治療に伴う体調変化も想定されますが、着実に回復へ向けて取り組んでいきたいと考えております。人生100年時代と言われる中で、今回の治療は自分にとっての一里塚と受け止め、しっかりと向き合ってまいります」

 

この他、治療と並行してリモートワークを活用しながら期間中も協会長としての職務を継続し、これまで通り協会運営に取り組む方針だと説明しました。

 

衆院選で自民党が単独で定数の3分の2超の議席を獲得したことについては、「政権の政策運営について一定の信任が示されたものと受け止めています」とし、「政策の方向性が明確になったことで、証券界としても成長戦略の前進に期待を持っています」と述べました。

株式市場への影響に関しては「政策継続性の高まりから、他投資家のリスク選好が強まっているように見受けられます。特に海外投資家は、政治の安定や政策実行力を重視する傾向があり、今回の結果を受けて、日本経済や企業成長への期待が高まる中、海外からの資金流入が再び強まりやすい環境が続いています」と説明。2005年や2012年の総選挙後に改革機運の高まりから、海外投資家の買い越しが株価を後押しした経緯に触れ、「今回も市場ではこうした動きが意識されています」と指摘。「市場の基調には、デフレからインフレへの転換や資本効率を重視する経営姿勢の浸透といった構造的変化があり、AI関連株の調整や金利上昇への警戒が生じる場面でも、こうした改革が底堅さを支えてきました。今回の選挙結果は、こうした基調を後押しし、市場心理を一段と強める方向に作用しているとみています」と語りました。

債券市場については「選挙前に消費税公約への懸念から長期金利が上昇する局面もありましたが、選挙後には消費税ゼロ措置の2年間限定や特例公債に依存しない姿勢が示され、市場に一定の安心感が広がりました」との認識を提示。その上で、「防衛費拡大など財政支出の増大が見込まれる中、責任ある積極財政のあり方について建設的な議論が進むことを期待しています」と述べました。

 

「こどもNISAは富裕層優遇」批判に反論

日証協が大手10社を対象に実施した調査では、1月のNISA口座開設件数は約51万件。制度拡充直後(24年1月は73万件)よりは少ないものの、昨年1年間のどの月よりも多い結果となりました。また、購入者を対象に行ったアンケート調査によると、年収分布では、個人年収300万円未満の層が4割近くを占めたといいます。

会見では、27年に始動するこどもNISAが富裕層優遇ではないかとの指摘がある点について質問が上がり、松尾元信副会長は「おそらくとうてい富裕層ではないと思われる20代、30代、40代の方が、こどもNISAを勧めたいと言っておられるということで、若い子育て世代に非常に高いニーズがある。その意味でもこどもNISAは、」富裕層のためのものというよりも、まさに子育て世代によくフィットする政策」との認識を示しました。

 

三田証券、みずほ証券で発覚したインサイダー取引事案について質問が上がると、岳野副会長は「金融商品取引業者の信頼性向上が求められている中、市場の公正性、信頼性を揺るがしかねない不適切な事案の発生、逮捕という事案の発生、あるいは強制調査に入られたという不適切な事案の疑いが生じていることにつきましては、誠に遺憾です」と述べました。

 

日証協の会見の翌日、証券取引等監視委員会は三田証券の元取締役ら3人について東京地検への告発を公表。監視委幹部は「証券会社の最高幹部が自ら情報源となった事案であり、市場の公正を著しく害する極めて重大悪質な事件」だと指摘しました。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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