金利上昇を背景に銀行株が買われています。特に個人株主の獲得に成功しているのが、広島銀行を中核に持つひろぎんホールディングスです。
ひろぎんHDは時価総額で地銀12位ですが、個人株主の数では群を抜いています。個人株主は株式の数が多いほど増える傾向にありますが、ひろぎんHDの発行済株式数は12社で9番目。個人株主の数は、単に株式数に比例したわけではないようです。
ひろぎんHDはなぜ個人投資家に人気なのでしょうか。理由を探ってみましょう。
地域密着型の総合金融グループ 広島銀行は総資産で地銀8位
まずはひろぎんHDの概要を押さえましょう。
ひろぎんHDは広島地盤の金融グループです。広島銀行を中核に、証券会社やリース会社、クレジット会社などでグループを構成しています。
「地域総合サービスグループ」を標榜するひろぎんHDは、地元に根差した事業を多く手掛けています。子会社には地元企業を中心に投資する投資会社(ひろぎんキャピタルパートナーズ)や、広島銀行の営業エリアの不動産に投資する運用会社(ひろぎんリートマネジメント)、地域の活性化を目指すコンサルティング会社(ひろぎんエリアデザイン)なども持っています。
広島県の経済規模は中国地方でトップクラスです。工業や商業が盛んで、マツダや青山商事、マイクロンメモリジャパン(米マイクロンの日本法人。旧・エルピーダメモリ)といった有名企業が本社を構えています。他県から進出する企業も多く、事業所の数は全国11位を誇ります(参考:日本銀行広島支店 広島県経済の特徴)。
広島で高いシェアを持つ広島銀行も、規模は地銀トップクラスです。総資産は地銀62行中8位、貸出金と預金はそれぞれ6位と7位に位置します。
【広島銀行の概要(単体、2024年3月期)】
・総資産:12兆7202億円(地銀8位)
・貸出金:7兆7458億円(同6位)
・預金:9兆2574億円(同7位)
・業務純益:335億円(同8位)
・純利益:265億円(同11位)