新興業者のシード獲得支援を求める声
新興運用業者を支援する仕組みであるEMP(Emerging Managers Program)は、欧米やシンガポールなどで先行事例があります。また、国とは別に東京都でも先行的にEMPの取り組みを導入しています。
EMPの一般的な形態においては政府系ファンド、機関投資家などといった資金の出し手が、ゲートキーパーを通じて複数の新興運用業者に投資します。各ゲートキーパーが投資先の新興運用業者との間で運用委託契約を結ぶパターンもあれば、雇用契約を結ぶパターンもあります。
EMP導入に向けた議論が表面化したのは、今年10月に開かれた金融審議会「資産運用に関するタスクフォース」の初回会合でした。この日の会合ではみさき投資代表取締役の中神康議氏が登壇。2015年に助言会社を設立し、13年に運用会社をスタートさせた経験を踏まえ、新興業者の持続的な成長に向けた制度的な後押しの必要性を主張し、日本版EMPの導入を提言しました。