ポイントは「見える化」、「ガイドライン」、「共同運用」
政府の整理案はDB改革について、①運用力の向上、②見える化、③共同運用の促進という3つの方向性を打ち出しています。
運用力の向上に関しては、「加入者の最善の利益を達成するため」として、契約形態に関わらず「定期的に総幹事会社を含めた運用委託先を評価し、必要に応じて運用力次第で委託先を変えるなどの見直しを推進することについて、ガイドラインを改定する」という方向性を示しました。
改定するガイドラインは、2012年の厚生労働省による通知「確定給付企業年金に係る資産運用関係者の役割及び責任に関するガイドラインについて」(DBガイドライン)とみられます。
運用の見える化に関しては、情報開示の具体的な方策について、「厚労省が情報集約して公表する選択肢を含め、2024年の公的年金の財政検証を踏まえた次期年金制度改革とあわせて結論を得る」というスケジュールを提示しました。
また、共同運用については「選択肢の拡大を含めて、企業年金連合会による共同運用事業の発展などに向けた取り組み」を促すとしています。
3つの施策が目指すところは、運用の優劣を見比べやすくして、実績の劣る金融機関には早めに見切りをつけるよう企業に促すことにあります。また、小規模DBが活用する共同運用事業の運営主体に対しても、政府としてガイドラインの採択を促し、同様の対応を促す可能性があります。