NISAの普及で投資信託は身近になった。しかし、どの商品が自分に合っているのかを見極めるのは難しい。長期投資家に支持される投資信託にはどんな魅力があり、またなぜ支持されているのか。ここでは、大和アセットマネジメントが運用する「ダイワ金融新時代ファンド」について紹介する。
金利上昇に伴う利ざや拡大への期待で、銀行業を始めとする「金融株」に注目が集まっている。本ファンドはそんな「金融株」に集中して投資するファンドだ。ここでは、ファンドの特徴と投資のメリット、さらに注意点を解説していく。
日本の金融株に的を絞り、銘柄選別でリターンを追求
「ダイワ金融新時代ファンド」は、銀行や保険、証券など、日本の金融セクターへ集中的に投資するアクティブファンドだ。
2006年5月30日に設定された国内株式ファンドで、2026年に運用開始から20年を迎えた。純資産総額は2026年10月15日現在で約1658億円となっている。
主な投資対象は、国内の金融商品取引所に上場する株式だ。金融ビジネスの拡大によって成長が期待できる企業を選び、信託財産の成長をめざす。株式の組入比率は、通常の状態で純資産総額の90%程度以上に維持することを基本としている。
銘柄選定では、企業を個別に調査するボトムアップ・アプローチを採用する。銀行や保険、証券などの金融セクター銘柄については、利益の拡大や競争力の高さなどに着目する。さらに、金融業へ新規参入した企業や、IT・業務のアウトソーシングなどを通じて金融業を支える企業も投資対象となる。
また、金融セクターだけを機械的に組み入れるのではなく、成長性や株価指標から見た割安度、銘柄分散などを考慮し、運用担当者が投資先と組入比率を判断する点が特徴だ。特定の指数への連動をめざすインデックスファンドではなく、TOPIX(東証株価指数・配当込み)は参考指数として使用されている。
2026年9月末時点の国内株式比率は96.4%で、組入銘柄数は40銘柄。業種別では銀行業が70.0%と大半を占め、保険業17.6%、証券・商品先物取引業4.7%、その他金融業2.8%、情報・通信業1.4%となっている。
組入上位銘柄は以下の通りだ。
・三菱UFJフィナンシャル・グループ 20.9%
・三井住友フィナンシャルグループ 13.7%
・みずほフィナンシャルグループ 11.2%
・東京海上ホールディングス 7.3%
・りそなホールディングス 3.4%
上位3銘柄だけで純資産総額の45.8%を占める。幅広い国内株へ分散するファンドとは異なり、大手銀行を中心とした金融株の値動きを投資成果へ強く反映させる構成である。
金融株は、金利の変化や企業・個人の資金需要、株式市場の活況などによって収益機会が広がる場合がある。特に銀行では、貸出金利と預金金利の差である利ざやの改善が収益を押し上げることがある。日本の金利や金融ビジネスの変化を、明確な投資テーマとして取り込める点が、このファンドならではの強みになり得る。
一方、金融株が市場全体に対して不調となる局面では、ファンドの運用成績も影響を受けやすい。複数業種へ広く分散するのではなく、金融セクターの成長性に投資判断の軸を置く商品であることを理解しておきたい。
また、このファンドは特定銘柄の組入比率が高くなる可能性のある「特化型運用ファンド」に該当する。組入上位企業の業績や財務状況が悪化した場合、幅広く銘柄分散されたファンドよりも基準価額が大きく変動する可能性がある。
決算は原則として毎年5月16日と11月16日の年2回。直近の2026年5月18日には、1万口当たり400円の分配金が支払われた。ただし、分配金額は基準価額の水準などを勘案して決定されるため、一定額が保証されているわけではなく、分配が行われない場合もある※。
※資産の成長をより求める層には、決算を年1回に設定した「ダイワ金融新時代ファンド 資産成長型」も設定されている。
「分配金再投資コース」と「分配金支払いコース」があり、取扱可能なコースや名称は販売会社によって異なる。NISAでは成長投資枠の対象だ。
運用管理費用(信託報酬)は年率1.672%(税込)。購入時には販売会社が定める3.3%(税込)を上限とする手数料がかかる場合がある。信託財産留保額は設定されていない。
