「仕事ができればOK」だった職場環境が、上司の交代で一変

菜穂さんが26歳の頃、上司が代わってしまったのです。新しい上司は菜穂さんに逐一厳しく注意指導する人でした。そんな上司に菜穂さんはすぐさま反抗的な態度をとってしまいます。

そのようなことが積み重なっていったある日、上司に別室に連れて行かれました。そこで上司から「おまえ仕事を何だと思っているんだ? 俺のこと馬鹿にしているのか?」と大声で叱られてしまったそうです。その後も何かにつけて、今まで以上に厳しく注意指導されるようになりました。

そのような日々を過ごすうち、菜穂さんは次第に食欲も落ち、夜もよく眠れなくなってしまいました。さらに不安感が常にまとわりつき、集中力もなくなっていきました。そのため仕事ではミスを連発。結果、上司から厳しい注意指導を受ける。さらにミスをしてしまう。といった負のスパイラルに陥っていきました。

こんな状態ではとても仕事にはなりません。そこで菜穂さんはしばらく有給休暇をとって様子を見ることにしました。しかし、なかなか心身の状況が改善しなかったため心療内科を受診。すると医師からはうつ状態にあると言われました。

有給休暇をすべて消化して休んでいても職場復帰は難しかったため、その後は傷病手当金を受給して何とかしのいでいました。

「早く職場に復帰しなければ」

そう考えれば考えるほど、体が震える、自然と涙が出てくる、気力が失せていくといった症状が現れてしまうのでした。

主治医と相談した結果、菜穂さんは会社を退職。退職を機に実家に戻り、治療に専念することになりました。

菜穂さんは過去の出来事を振り返ることで「自分には発達障害があるのではないか」と疑いを持つようになりました。そこで発達障害の検査を受けたところ、自閉スペクトラム症の疑いがあることが分かったのです。

●うつ状態に陥り発達障害の疑いが判明した菜穂さん。果たして年金をもらいながら再び働くことはできるのでしょうか? 後編【「働けるようになったら年金は打ち切り?」上司のパワハラで退職…不安で動けない28歳女性に社労士が教えた「意外すぎる真実」】で詳説します。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。