高市首相はビデオメッセージで、「高市内閣は本年7月に策定した『成長投資を促進するための金融戦略』による資産運用立国の実現に向けた努力を加速し、日本成長戦略を実行に移していく」と述べ、次のように語りました。
「成長戦略では17の戦略分野について、 2040年まで官民で370兆円の投資を行うというロードマップを示している。こうした成長投資を着実に実現していくためには、国内外の資産運用業や投資家の皆様に日本の魅力と潜在力をご理解の上、日本の成長機会に長期的な視点で参画いただき、日本市場を盛り上げていただくことが不可欠だ」
金融庁の伊藤豊長官は、「日本は今、大きな転換点にあり、その転換は世界の投資家や金融機関にとって新たな機会をもたらしていくと考えている」と説明。デフレ、低成長、ゼロ金利からの脱却により、家計の預金偏重や企業のリスク回避の傾向に変化がみられると指摘し、こう述べました。
「NISA口座は大きく増加し、賃金も上昇している。ゼロ金利やマイナス金利の時代ももはや過去のものとなった。日本経済は今、停滞への対応を重視する時代から、資本を有効に活用しながら成長を実現していく時代へと移行しつつある。その結果、家計や企業の行動にも変化が現れている。家計では、『貯蓄から投資へ』の流れが着実に進み、企業もこれまで以上に投資家を意識して、資本効率や企業価値の向上を意識した経営に取り組み始めている。私たちが目の当たりにしている動きは単なる景気循環ではない。日本経済の構造そのものが変わりつつある」
その上で、政府全体として掲げている「日本成長戦略」と、首相が触れた金融戦略の関係性について説明しました。
「日本には世界有数の金融資産がある。家計金融資産は、先日の発表では2500兆円を超え、企業も巨額の現預金を保有している。重要なのは、こうした資金を、いかに生産的、効率的な投資へとつなげていくかということだ。イノベーションへの投資、生産性向上への投資、地域経済の活性化への投資としての次世代産業への投資は、単なる資金供給ではなく、日本経済の供給力を高め、中長期的な成長力を強化していくための取り組みだ」
「生産力向上のための投資、技術への投資、インフラへの投資、そして人への投資。こうした成長投資によって、日本経済は新たな発展のステージへ移行しようとしている。金融戦略は、こうした成長戦略をさらに加速させるためのものだ」
加えて、出席した金融業界の幹部らに対し「こうした変革を実現していくためには、日本の将来をともに見据え、日本の成長にともに取り組んでいただける皆様の存在が必要だ」と呼びかけ、政府方針への理解と協力を改めて呼びかけました。
Japan Weeksは岸田政権下の2023年に始まり、今年で4回目。NISA拡充を目玉施策として掲げ、家計の投資促進に重きを置いていた岸田政権が掲げた「資産運用立国」のスローガンを受け継ぎつつ、国内の成長分野への資金供給を重視する現政権のカラーを強く印象づける幕開けだったと言えるでしょう。
この日のオープニングレセプションはブルームバーグが主催。創業者で元ニューヨーク市長のマイケル・ブルームバーグ氏はビデオメッセージで、同社が最初の海外オフィスとして39年前に東京に拠点を構えたことに触れ、「私たちは日本の世界経済における重要性と国際金融市場における強みを認識していた。それ以来、投資とイノベーションを推進する日本の役割はいっそう大きくなった」と述べました。ブルームバーグ日本統括責任者のノーマン・L・トゥエイボーム氏は、世界各国から政府・企業等のリーダーらを迎える第9回ブルームバーグ・ニューエコノミー・フォーラムを2027年11月に東京で開催すると説明し、国境を越えた連携強化の意義を改めて強調しました。
