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投信協が新プロダクトガバナンス指針を26日にもほぼ確定、毎月分配型などが情報連携の対象に

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2024.12.25
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投信協が新プロダクトガバナンス指針を26日にもほぼ確定、毎月分配型などが情報連携の対象に

金融庁が9月に公表した「顧客本位の業務運営に関する原則」(FD原則)改定版への対応をめぐり、投資信託協会が26日にも開催する検討部会において、プロダクトガバナンスに関する新たな情報連携の枠組みについて大筋を取りまとめることが関係者への取材で分かりました。早ければ1月10日に予定される政策委員会で指針が最終確定する見通しです。

「つり合い」を重視

今回のFD原則改定では、プロダクトガバナンス(商品統治)に関する補充原則が追加されました。投資信託などの製造サイドに対し、商品企画の時点で想定される購入顧客層を特定したうえで、卸した後も販売サイドと連携し、実際に想定通りの顧客に商品が行き届いているかをウォッチするよう促しています。

また、補充原則と別に既存の「原則6」の注釈部分の位置づけで、販売会社側においても情報連携に協力するよう求める文言を追加。製-販双方で対応が求められることになりました。投信協は検討部会を設置し、7月に初会合を開催。その後も9月、10月と複数回にわたり日本証券業協会などを含む関係者間で対応策を協議してきました。

 

議論の焦点は、情報連携の範囲、データの粒度、連携の方法の3つでした。当初は年内の報告書取りまとめを目指していましたが、特に情報連携範囲については利害関係者が多いこともあって協議がやや長引き、最終決定が年明けにずれこむことになりました。

 

 

FD原則改定版では、情報連携について全ての商品に一律的に網を掛けるのではなく、事業者側の過度な負担がかえって顧客の利便性を損ねないよう、商品ごとの特性や重要性に応じて連携の必要の有無を判断する「プロポ―ショナリティ(つり合い)」の考え方を打ち出しています。当局は本文中で、「例えば、シンプルなインデックス投資を行う金融商品については最低限の必要な対応を行う一方、複雑な又はリスクの高い金融商品については、より慎重かつ重点的に取り組むなど、プロダクトガバナンスの確保により得られる便益とそれに要するコスト等が釣り合いの取れたものとなっていることが重要」といった認識を示しています。

 

これを受けて投信協側は、新たな指針において、情報連携の範囲を毎月分配型を含む1000本程度とする方針。初回は25年6月末までのデータを集約し、運用を本格化させていく予定です。

(関連:投資信託協会松下会長のインタビュー記事https://media.finasee.jp/articles/pro/14405)

 

当局は1月に新報告様式を公開へ

当局は25年1月を目途に、採択事業者が金融庁にFD原則に関する取組状況を報告するフォーマットを刷新し、同年6月末(同9月末公表予定)分から適用する方針。パブコメ回答で当局は「改定後原則に基づく『金融事業者リスト』への掲載を希望する場合には、報告時点(2025年6月まで)で取組方針・取組状況を公表していることが要件になる」と説明しています。


FD原則は、投信に限らず金融業界で幅広く採択が広がっています。9月に追加された補充原則は、建て前上は投信以外の金融商品についても(事業者が原則を採択している限り)適用されることになっていました。金融庁が公表したパブコメ回答では、対象となる「金融商品」について「特に定義を設けない」とし、「あらゆる金融商品が対象となり得る」と説明しています。

 

ただ、他の主要業界団体がプロダクトガバナンスに関して既に取り組みを実施済みというスタンスを取っていることもあり、最終的には投信業界がプロダクトガバナンスを「率先」する流れとなりました。事業者の不公平感につながらないよう、当局には引き続きプロダクトガバナンス確保の意義について各業態への丁寧な説明が求められることになりそうです。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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