京都には多くのエレクトロニクス企業があります。その大株主の常連となっているのが京都フィナンシャルグループです。中核子会社の京都銀行を通じ、京都にゆかりのある大企業の株式を多数所有しています。
【京都銀行が大株主となっている主な上場企業と所有割合(2023年3月末)】
・任天堂:4.19%
・村田製作所:2.5%
・ローム:2.65%
・オムロン:3.58%
・京セラ:4.02%
・ニデック:4.31%
・島津製作所:1.67%
・スクリーンHD:2.83%
・ニチコン:5.0%
・GSユアサ:1.92%
出所:各社の有価証券報告書
生成AIが話題を集めており、そのサービスを支えるハードウェアにも需要が見込まれます。多くのエレクトロニクス企業の株式を所有する京都FGにも注目が集まりそうです。
今回は京都FGを探ってみましょう。同社の概要と業績を紹介します。また批判されることも多い政策保有株の現状も押さえましょう。
京都の総合金融グループ 地元企業の3割がメインバンクに
京都FGは京都銀行を中核とする金融グループです。2023年10月に京都銀行が持ち株会社化し発足しました。子会社には証券会社やクレジットカード会社、コンサルティング会社などを持ちます。また子会社の烏丸商事はモール型ECサイト『ことよりモール』を運営しています。
2024年6月には積水リースの株式を90%取得し、同社を子会社化しました。また持分法適用会社には投信会社のスカイオーシャン・アセットマネジメントを持ちます。
もっとも、収益の大半は京都銀行が占めます。2024年3月期は純利益316億円のうち94%(297億円)を京都銀行が単体で稼ぎました(出所:京都FG 決算短信)。
京都銀行は京都を地盤に持つ地方銀行です。帝国データバンクによると、京都府内の企業の3割超が京都銀行をメインバンクと認識しているようです(出所:帝国データバンク 京都府内企業のメインバンク実態調査(2023年))。また大阪府や滋賀県など周辺の地域へも展開しています。
京都銀行の規模は地銀トップクラスです。業務純益(※)および純利益は地銀7位、貸出金は地銀9位に位置します。特に有価証券の保有額が大きく、地銀では八十二銀行に次いで2位となっています(いずれも単体、2024年3月)。
※業務純益:銀行本来の業務の利益。一般に業務粗利益(銀行本来の業務にかかる収支)から経費および貸倒引当金を控除したもの。
【京都銀行の概要(単体、2024年3月)】
・業務純益:3兆6662億円(地銀7位)
・純利益:2兆9691億円(同7位)
・貸出金:6兆7263億円(同9位)
・有価証券:3兆3351億円(同2位)
・預金:8兆8490億円(同8位)
株価は順調に値上がりしています。2024年6月14日までの5年間で約2.5倍に上昇しました。銀行株は金利上昇を受け好調に推移しており、京都FGも同じように買われているようです。