「社会課題を成長のエンジンに」
コンソーシアムは全銀協、日証協、生保協や経団連など民間団体などが発起人となって立ち上げられたましたが、実際には政官側からの働きかけによって設立にこぎつけた経緯があります。
設立計画が初めて表面化したのは、金融庁設置の有識者会合「インパクト投資等に関する検討会」が6月に公表した報告書でした。その後、10月には岸田首相が講演の中で立ち上げ時期を「年度内」と明言。11月の集会当日をもって、金融庁と経済産業省が事務局を務めるコンソーシアムの活動が正式にスタートしました。
インパクト投資は収益拡大と気候変動などの課題解決の両立を目指す投資手法です。先述の検討会報告書においては、インパクト投資の国際的な推進枠組みであるGIINが策定している一般的な定義をベースに据えつつ、スタートアップ支援との親和性を強調する日本独自の定義が打ち出されました。岸田政権にとってインパクト投資は、スタートアップ企業へのリスクマネー供給拡大と、資産運用立国という2つの主要な政策課題をつなぐ重要な結節点になっているといえます。