岸田政権の〝資産所得倍増プラン〟で大学生の意識にも変化も
渡邊氏は、三菱UFJ銀行でマーケット業務や投資銀行業務などで要職を歴任した後、2013年4月に専修大学商学部教授に転身した。以降、ほぼ10年にわたって金融教育の現場で教鞭を執っている。担当している講義には、「金融サービス」「国際金融」「外国為替のディーリング戦略」などが並ぶ。ここ数年、20~30代といった若年層が投資を始めるケースが増えているといわれているが、大学生にも意識の変化はみられるのだろうか。
「岸田政権が〝貯蓄から投資へ〟や〝資産所得倍増プラン〟といった政策を打ち出して以降、投資に対する学生の関心は高まっているようです。とはいえ、多少関心度が上がったという程度で、金融知識の必要性を切実に感じるようになったのか、といえば、まだまだではないでしょうか」(渡邊氏/以下同)。
2019年に起きた「老後資金2000万円問題」のときにも、学生の間で多少話題にはなったそうだが、「老後資産作りには長期投資が重要とはいっても、学生にとっては〝老後〟や〝長期〟という言葉は現実味が薄く、自分事としては捉えにくい。真剣に授業を聞いてもらうためには、単位が取りやすい講義として教える必要があります(笑)」