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シリーズ「人的資本経営」実現に向けたファースト・ステップ
第2回  海外企業の「人的資本」の捉え方

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2023.05.19
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シリーズ「人的資本経営」実現に向けたファースト・ステップ<br />第2回  海外企業の「人的資本」の捉え方

2023年3月期決算から義務化された「人的資本の情報開示」では、企業が保有する人材を資本とみなし、人的投資や人材戦略と経営戦略を統合した上で、投資家やマーケットに開示することを求めている。
今回の義務化に際しては、開示に向けたガイドラインや開示すべき項目等が公開されている一方で、バックボーンとなる「人的資本と経営戦略をいかに結びつけ企業価値向上につなげるか」、つまり「人的資本経営をどう進めるか」についてのヒントが少ない点が経営者の頭を悩ませている。
本シリーズでは、グローバルで組織・人事コンサルティングを手掛けるマーサージャパンの協力のもと、金融機関の人的資本経営実現に向けたさまざまな視点やアイデアを紹介していく。

――前回は、人的資本経営を進める上での日本企業の課題が指摘されましたが、海外の企業では人的資本はどのように扱われているのでしょうか。

阿久津 米国では1990年代から戦略的人的資源管理(SHRM:Strategic human resource management)という考え方が企業の間に拡がり、人的資本の概念と合わさって発展してきました。日本の人的資本経営とは出発点が異なりますが、人的資本と経営戦略を結びつけて考えるという点に関しては日本よりも進んでいると思います。

白井 戦略から人へ落とし込む発想がすでに前提として浸透しているため、開示に関してもIRやガバナンス的な観点で人的資本を重視する動きはありますが、あえて「人的資本経営」という視点を大きく掲げている感覚はありません。しかし、リスキルとアップスキルについては日本よりもより切迫感のあるテーマとしてクローズアップされています。

なぜなら、海外においてもデジタル領域を中心に圧倒的に人材が足りない状態が続いていて、大学の学部を増やしても、供給が全く追いついていません。その結果、インターネット上のプラットフォームを通じて単発で仕事を請け負うギグワーカーを使うとか、コンサルティング会社を採用するなど、  リソース確保の方法がフレキシブルになっています。つまり職種での採用というより「このタスクをこなすにはこのスキルが必要」といったように細分化してリソース調達計画を考える方向へと変わってきています。

――前回は、人的資本経営を進める上での日本企業の課題が指摘されましたが、海外の企業では人的資本はどのように扱われているのでしょうか。

阿久津 米国では1990年代から戦略的人的資源管理(SHRM:Strategic human resource management)という考え方が企業の間に拡がり、人的資本の概念と合わさって発展してきました。日本の人的資本経営とは出発点が異なりますが、人的資本と経営戦略を結びつけて考えるという点に関しては日本よりも進んでいると思います。

白井 戦略から人へ落とし込む発想がすでに前提として浸透しているため、開示に関してもIRやガバナンス的な観点で人的資本を重視する動きはありますが、あえて「人的資本経営」という視点を大きく掲げている感覚はありません。しかし、リスキルとアップスキルについては日本よりもより切迫感のあるテーマとしてクローズアップされています。

なぜなら、海外においてもデジタル領域を中心に圧倒的に人材が足りない状態が続いていて、大学の学部を増やしても、供給が全く追いついていません。その結果、インターネット上のプラットフォームを通じて単発で仕事を請け負うギグワーカーを使うとか、コンサルティング会社を採用するなど、  リソース確保の方法がフレキシブルになっています。つまり職種での採用というより「このタスクをこなすにはこのスキルが必要」といったように細分化してリソース調達計画を考える方向へと変わってきています。

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