相談なしの高額出費に困惑
「え? それどうしたの?」
驚きながら実花が聞くと、琢也は当たり前のことのように答えた。
「クラブを買ってきたんだよ。ショップに行って店員さんに教えてもらって、俺に合いそうなものを一式買ってきたんだ」
さらに買い物袋からはウェアやゴルフシューズ、グローブなどがどんどん出てきた。
「……これって全部でいくらしたの?」
「ウェアとかも全部合わせたら15万くらいかな」
「15万⁉」
思わず実花は声を上げた。
「それくらいするよ。別にこれくらい普通だよ。でもこの先ずっと使うってなったら安いもんだろ」
「いや、そ、それはそうだけど……」
レッスンの受講料だってかかるし、打ちっぱなしだってタダではない。それらも含めたら月々の出費はかなりの金額になる。
それに金額の問題だけではない。何の相談もなしに、ぽんと大金を使ってきたことのほうが問題だった。
「今度、会社の人たちと初めてラウンドに行くんだ。そのためにも自分用のクラブを用意しておかないといけなかったんだよ」
そう言いながら琢也は満面の笑みを浮かべた。相談くらいしなさいよと文句を言いたくなったが、実花は言葉を飲み込んだ。とはいえ、実花の中には少し引っかかるものが残った。
●休日をだらだら過ごす夫・琢也に、何か趣味を見つけてほしいと願っていた実花。ところがゴルフを始めた琢也は予想以上に熱中し、相談なしにクラブやウェアなどへ約15万円を使うまでになり、実花は新たな不安を覚える…… 後編【「俺が家にいるのが邪魔だったんだろ?」50歳夫がゴルフに熱中…妻が後悔した“何気ない一言”】にて、詳細をお伝えします。
※複数の事例から着想を得たフィクションです。実在の人物や団体などとは関係ありません。
