いきいきし始めた夫に安堵
休日の琢也はいつも適当なテレビをつけて流し見しているだけだったが、ゴルフ中継を見るようになった。
「この人、すごいな。300ヤードもあたりまえのように飛ばすなんて。俺は200行くか行かないかくらいだったんだよ」
興奮気味に話す琢也は実花にとってとても新鮮だった。
しばらくすると会社の同僚と行くだけでは物足りなくなったのか、1人でも打ちっぱなしへ出かけるようになった。
「それじゃ行ってくるね」
ウキウキしながら家を出ていく琢也を実花は笑顔で送り出した。趣味が見つかるだけでこんなに人が変わるのか。ゴルフなら定年後もできるスポーツだし、とてもいい趣味を始めたのではないかと実花は思っていた。
◇
しかし、琢也のゴルフ熱は実花が思った以上のものだった。
最初のうちは週末に打ちっぱなしに行くだけだったが、そのうち平日の仕事終わりに練習に行くようになった。それに加えて、もっとうまくなりたいからとティーチングプロのレッスンにも定期的に通うようになった。
実花は熱中している琢也に戸惑いつつも見守っていたある日、休日に打ちっぱなしから帰ってきた琢也は大きなゴルフバッグと買い物袋を持って帰ってきた。
