リスク回避度の計測

自分のリスク回避度を知った上で、それを前提に自分にとって好ましい投資や支出の意思決定を行っていくのが望ましいと考えられますが、多くの人は自分のリスク回避度を客観的に測ったことはおそらくないのでしょう。たしかに、上で述べたことだけをもとに、自分のリスク回避度が2だとか3だとか言える人はまずいません。しかし、それができなければ合理的な意思決定もなかなかできません。くどいようですが、投資や支出においては万人にとって正しい意思決定というものが存在することはほとんどなく、多くはその人にとって良いかどうかという基準で判断することになります。そして、お金に関する意思決定においては、それを行う人のリスク回避度という特性が極めて重要になります。

このリスク回避度の計測を比較的簡単に行う方法がいくつか考案されています。例えば、公正なコイン(表と裏が出る確率がいずれも50%のコイン)を投げた結果によって決まる1度かぎりの投資機会が与えられたときに次の質問に答えてもらい、それによってリスク回避度がある程度計測できるとされます。このアンケート調査は『すぐれた投資と支出の意思決定』*1という本からの引用ですが、似たようなものは他にもあるのでしょう。興味と時間があればぜひやってみてください。

*1 ビクター・ハガーニ、ジェームス・ホワイト、『すぐれた投資と支出の意思決定』、金融財政事情研究会、2026年

(出所)『すぐれた投資と支出の意思決定』より筆者

実は、これらの問いは(a)から(e)の選択肢がそれぞれリスク回避度1~5になるように作ってあります。したがって(b)を平均的に選んだ人はリスク回避度が2、(c)を選んだ人は3に相当します。(a)を選んだ人はリスク回避度が平均的な人よりも低く(つまりリスクをとりたがる)、(d)や(e)を選んだ人はリスク回避度が平均よりも高い(リスクをとりたがらない)人だということになります。