finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

ミトス対策作業部会が14日に初会合へ……アクセス権付与を待つことなく、今のうちにできることは?

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2026.05.14
会員限定
ミトス対策作業部会が14日に初会合へ……アクセス権付与を待つことなく、今のうちにできることは?

政府の「AI脅威に対する金融分野のサイバーセキュリティ対策強化に関する官民連携会議」の作業部会が14日、金融庁で初会合を開きます。米アンソロピック社の新型AI「クロード・ミトス」を念頭に、金融インフラの安全を維持する対応策について官民の関係機関・団体・事業者で議論します。メガバンクへの優先的なアクセス権限付与が取り沙汰され、大手・地銀間の対応格差も心配される中、庁内からは「権限をただ待つのではなく、今のうちに取り組むべきことはたくさんある」といった声が聞こえます。

「防げなかった場合」も見据えて

新型AIのミトスは、利用者に悪用されれば、金融機関のシステムの脆弱性(セキュリティの穴)を短時間で見破って突破する危険があり、開発元のアンソロピック社は現状、一般提供を見送って一部の機関等に権限を付与しています。

金融庁幹部は記者向けブリーフィングの場で、「個別モデルへのアクセス確保自体も有益なことではあるが、それがなければ何もできないとか、それが最優先だということではない。今まで人が簡単に見つけられなかった脆弱性をAIが見つけられるようになっても、最終的に取り組むべきことが劇的に変わるかというと、必ずしもそうではない」と指摘。その上で、次のように見解を述べました。

「仮に大量の脆弱性が出てきた時には、その対応をいかに迅速に進めるか。防御態勢をどうするか。防ぎきれなかった時のコンティジェンシープランをどうするのか。大量のパッチ(セキュリティの穴をふさぐ修正プログラム)を当てなければいけなくなった時、その前に必要なアップデートが全部済んでるかなど、取り組むべきは多々ある。会議の場では、そうした対応について検討していく」

 

3メガ+2行が作業部会に参加へ

作業部会には主要な金融機関の他、全銀協、地銀協、日証協、生保協を含む各業界団体、そしてITベンダー(NRI、NTTデータ等)が参加する予定です(※記事末尾に参加企業・団体の一覧)。

このうち金融機関の枠には3メガに加え、楽天銀行とセブン銀行が名を連ねています。同幹部は「システムに対する攻撃のリスクを議論する場でもあり、システムを使うという意味で、ネットを活用したサービスを中心に提供している銀行の経験を持つ立場からの貢献も必要だろうということで、楽天銀行とセブン銀行を、ある意味でネット系の銀行を代表してということになるかもしれないが、お入りいただくことにした」と説明します。

一方、「サイバー攻撃を受けるリスクは大手金融機関だけでなく、中小金融機関にも関わってくる。短期的な対応だけではなくて、中長期的に底上げを図っていくことを肝に銘じて検討を進めていきたい」と説明。「小規模な金融機関は自前でシステムを持っているところばかりではなく、かなり共同化も進んでいる。AI を活用したサイバー攻撃への対応も含め、技術的な対応については共同センターを管理しているベンダーに拠るところも大きいので、ベンダーも今回の作業部会に入っていただいている」と述べました。

 

作業部会の会合は初回を含め全て非公開で行う方針としています。同幹部は「金融機関が実際に行う対応策やサイバーセキュリティ上の機微な情報を公表すれば、攻撃者に利することになりかねない」とその理由を説明。その上で、「共有すべき情報があれば、例えば金融機関が実際にシステム上の対策を行う上で役立つ実務的な対応の方向性や、他の金融機関におけるベストプラクティスを整理するなど、金融機関の役に立つ実効性のある形でその成果を示していきたい」と話しました。

 

 

※作業部会の参加組織(公表資料より、五十音順)

(金融機関等)

株式会社セブン銀行、株式会社日本取引所グループ、株式会社みずほ銀行、株式会社三井住友銀行、株式会社三菱UFJ銀行、楽天銀行株式会社

(IT ベンダー等)

アマゾン ウェブ サービス ジャパン合同会社、Anthropic Japan 合同会社、株式会社NTT データ、OpenAI Japan 合同会社、グーグル合同会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、日本電気株式会社、日本マイクロソフト株式会社、株式会社野村総合研究所、株式会社日立製作所、BIPROGY 株式会社、富士通株式会社

(業界団体)

一般社団法人金融ISAC、公益財団法人金融情報システムセンター、一般社団法人生命保険協会、一般社団法人全国銀行協会、一般社団法人全国地方銀行協会、一般社団法人全国信用金庫協会・株式会社しんきん情報システムセンター、一般社団法人全国信用組合中央協会・全国信用協同組合連合会、一般社団法人全国労働金庫協会・労働金庫連合会、一般社団法人第二地方銀行協会、一般社団法人日本損害保険協会、日本証券業協会

(政府機関等)

AI セーフティ・インスティテュート、国家サイバー統括室、財務省、日本銀行

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融庁
  • #フィンテック・DX

おすすめの記事

ミトス対策作業部会が14日に初会合へ……アクセス権付与を待つことなく、今のうちにできることは?

川辺 和将

さりげないにも程がある!見落としがちな最近の金融庁重要資料3選

川辺 和将

“インプリンティング効果”とこどもNISA--ヒナは最初に見たものを親と思い、ヒトは最初の販社と一生付き合う?

みさき透

マネックス証券で「オルカン」「S&P500」が復調、日本株ファンドは「ブル型」「ベア型」が交錯

finasee Pro 編集部

楽天証券の売れ筋は「順張り」の米国株ファンドが浮上し、「逆張り」の日本株ファンドが後退

finasee Pro 編集部

著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
さりげないにも程がある!見落としがちな最近の金融庁重要資料3選
こどもNISAと「NISA貧乏」――「投資枠」ではなく「初動率」をいかに上げるか
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉛
1-3月に過去最高の資金流入! 背景にある日本株と金(ゴールド)への強気スタンス
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
ミトス対策作業部会が14日に初会合へ……アクセス権付与を待つことなく、今のうちにできることは?
【金融風土記】地元愛「日本一」、愛知の金融動向を深掘りする
“インプリンティング効果”とこどもNISA--ヒナは最初に見たものを親と思い、ヒトは最初の販社と一生付き合う?

事業会社から最も評価が高い運用会社はどこか?Extel社の調査結果に見る日本市場の「360度評価」
解約高止まりのプルデンシャル生命が打ち出した「構造改革」の3つの注目点
投資信託の為替ヘッジを“今”見直す理由
さりげないにも程がある!見落としがちな最近の金融庁重要資料3選
こどもNISAと「NISA貧乏」――「投資枠」ではなく「初動率」をいかに上げるか
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
“インプリンティング効果”とこどもNISA--ヒナは最初に見たものを親と思い、ヒトは最初の販社と一生付き合う?

【金融風土記】地元愛「日本一」、愛知の金融動向を深掘りする
楽天証券の売れ筋は「順張り」の米国株ファンドが浮上し、「逆張り」の日本株ファンドが後退
解約高止まりのプルデンシャル生命が打ち出した「構造改革」の3つの注目点
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉛
1-3月に過去最高の資金流入! 背景にある日本株と金(ゴールド)への強気スタンス
マネックス証券で「オルカン」「S&P500」が復調、日本株ファンドは「ブル型」「ベア型」が交錯
データが映すインデックス時代のアクティブ再考ーー「安さ」だけでは、人は持ち続けない
「支店長は投信販売の経験がありませんよね? 契約を取れと簡単に言わないでください!」
【金融風土記】地元愛「日本一」、愛知の金融動向を深掘りする
解約高止まりのプルデンシャル生命が打ち出した「構造改革」の3つの注目点
投資信託の為替ヘッジを“今”見直す理由
さりげないにも程がある!見落としがちな最近の金融庁重要資料3選
こどもNISAと「NISA貧乏」――「投資枠」ではなく「初動率」をいかに上げるか
中国銀行で下落率が比較的大きくなった株式ファンドを選好、地元の「せとうち応援株式ファンド」もランクイン
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉛
1-3月に過去最高の資金流入! 背景にある日本株と金(ゴールド)への強気スタンス
騒動中の就活の末――損保ジャパン社長が396人の新入社員に語ったこと
国内株ファンドの資金流入額が急拡大、イラン紛争での下落局面を「押し目買い好機」とみたか? =資金流入額上位20ファンド
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら