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地銀協が合併促進策の強化を要望!「3分の1赤字」の高度化会社も規制緩和へ【金融審地域金融力WGレポート】

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2025.10.07
会員限定
地銀協が合併促進策の強化を要望!「3分の1赤字」の高度化会社も規制緩和へ【金融審地域金融力WGレポート】

金融庁で2日、金融審議会「地域金融力の強化に関するワーキンググループ」の第2回会合が開かれました。地方銀行協会、第二地方銀行協会、全国信用金庫協会、全国信用組合中央協会などの自主規制機関・業界団体の代表らが各業態の状況や取り組みを説明。その上で、融資以外の事業を手掛けやすくする規制緩和や、合併促進に向けた制度整備(資金交付制度の延長と増額)などを要望しました。金融庁監督局の幹部は、高度化等会社の3分の1が赤字になっている現状を明かしつつ、中長期的な取り組みを継続する意義を強調しました。

地銀協、資金交付制度の延長と限度額引き上げを要望

地域金融力の強化に関するワーキンググループは、年内に政府が策定を予定している「地域金融力強化プラン」の具体論を詰める目的で設置。9月に開かれた初回会合では出席した有識者委員らから、地域経済を支える機能を金融機関が発揮する上で、都道府県の境を越えた広域的な連携(合併・統合を含む)の拡大が不可避との意見が相次ぎました。

また、サイバーセキュリティなど非競争領域での連携や、地域企業のエクイティ支援を後押しすべきといった声も上がっていました。

 

今回の会合では、こうした意見に応じる形で、各自主規制機関・業界団体の代表らが登壇し、合併や連携を後押しするための制度整備を、それぞれ国側に要望しました。

 

銀行の経営統合の費用を補助するため2021年7月に創設された資金交付制度は、2026年3月に申請期限を迎えます。地銀協は、期限延長と、現在は30億円となっている交付上限金額の引き上げの検討を求めました。

 

また、東日本大震災後の利用実績がある資本参加制度についても、期限延長や大規模災害時等の特別措置の恒久化を要望しました。

 

非競争領域の共同化への資金援助

システムやサイバーセキュリティ対策といった非競争領域におけるコスト負担の増大に対応するため、システム共同化の支援や、資金交付制度の拡充を通じた開発・運営費用への資金的援助を求める声が、各機関・団体から聞かれました。

 

特に信用金庫協会と信用組合中央協会は、システム共同化が進んでいるものの、小規模な金融機関にとって費用負担が限界に達しつつある現状を訴え、共同化の対象や機能の拡充に対する資金援助を求めました。

 

また、地域金融機関が、融資以外の非金融サービスを提供し、地域経済の成長を後押しできるよう、規制緩和の検討を求める声も相次ぎました。

 

地銀協は、事業承継M&A、GX・脱炭素、地域の再開発などの分野における取り組みを強化するため、規制緩和の検討を要望。具体的には、事業承継や再開発の場面での不動産仲介業務の実施、投資専門子会社による株式会社以外への資金供給の可能化、および大口信用供与規制の見直しなどを具体策として提案しました。

 

また、第二地方銀行協会からは、投資専門子会社における株式保有期間制限の緩和や、銀行業高度化等会社の認可制から届出制への移行について検討を求めました。信用金庫協会は、「一定の高度化等会社」が手掛けることができる業務の範囲について、再エネ電力事業、観光・旅行業などを追加するよう要望しました。

 

有識者委員側からは、各機関・団体の要望内容について、地域経済の維持・活性化の観点で、大枠として賛同する趣旨の意見が相次ぎました。「これまで金融機関が抱いていた既成概念からの脱却が、今後の制度設計を考え、環境整備をする時に必要になる」といった声も聞こえました。

 

高度化等会社「3分の1は赤字」も、2課長は継続意義を強調

会合では、金融庁監督局の小野浩司・銀行2課長が、銀行業高度化等会社について現状を説明。銀行業高度化等会社はこれまでに77社が設立されており、直近の決算期では約3分の2が黒字となっているものの、黒字額は最大で数億円程度に留まっているといった状況を報告しました。

その上で、「77社のうち大宗が設立3年以内の会社であり、創業直後は赤字であってもやむを得ない面もあろうかと思う。一般的に高度化等会社は地域の活性化に寄与することを目的として設立されており、中長期的に銀行グループ全体の収益力に裨益することが期待されている」と述べました。

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川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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