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SBI北尾氏、日本当局を「分からん人の寄せ集まり」と痛烈批判のワケ

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2025.03.19
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SBI北尾氏、日本当局を「分からん人の寄せ集まり」と痛烈批判のワケ<br />

SBIホールディングスの北尾吉孝会長兼社長が3月7日、都内で開かれた「FIN/SUM2025」(金融庁、日本経済新聞社共催)に登壇。米トランプ大統領や側近マスク氏のデジタル分野の政策を賞賛する一方、日本の当局を「分からん人の寄せ集まり」と批判するなど「北尾節」を炸裂させつつ、同社のデジタルスペース戦略について熱弁を振るいました。暗号資産、セキュリティトークン、メディア事業など、多岐にわたる分野での事業展開の計画を語り、web3.0分野での同社の覇権確立への強い意欲を示しました。

暗号資産に手を出すのは「TOO LATE NOW!」

北尾氏は、大統領再就任後の1月23日に「デジタル金融技術における米国のリーダーシップの強化」の大統領令に署名したトランプ氏を賞賛。その上で、「急速に仮想通貨についての関心が世界中で高まるという状況だが、今からやっても、僕から言わせれば遅すぎ。It’s too late now! 僕が本(2018年出版『これから仮想通貨の大躍進が始まる!』)を書いたぐらいのときからやっていて、ちょうどいい加減だ」と話しました。

 

大統領令にドル連動型のステーブルコインの発展を促進する内容が盛り込まれていることに触れ、「我々はステーブルコイン重視(の政策)の発表前から、ステーブルコインをなんとか、しかも円ではなくドルでやると決定し、ずっと金融庁とワークしてきていた。これには新生銀行や信託や、SBIグループのさまざまなところが関与してこれを可能にした」と説明しました。

 

また、米議会で審議中のデジタルアセット関連法案(21世紀金融イノベーション・テクノロジー法)について言及し、「僕はこれを見て興奮した。これで、いよいよ圧倒的なうちの基盤を作れる」と述べました。その上で、「僕はさすがアメリカだなと思うのは、主要どころの長官とか委員会の委員長とかが、全部実業界から来た、実務をよくわかってる人。日本と正反対だ」と指摘。「アメリカが先に行くはずだ。日本もこれを変えて、わかってる人が出ないと。わからん人の寄せ集まりでは、いつまでたったって進化しない」と日本当局を痛烈に批判しました。

 

マスク氏を「偉大な男」と称賛

北尾氏は、グループとしてAI技術の活用にも取り組むとしつつ、ブロックチェーン技術を重視する姿勢をより強調。「最初から僕は、当面はAIよりもこっち(ブロックチェーン技術)の方が重要になると。チャットボットができて人々の関心はAIに向いているが、実際に効率化、安全性を確保するのはブロックチェーンだ」と説明。中国スタートアップ発のAIモデルで話題を集めたディープシークについては「『尖閣はどこの領土ですか』って(プロンプトを打ち込むと)答えは全部『チャイナ』になる。そんなもの信じられるか」と一蹴しました。

 

政府効率化省(DOGE)のトップに就任し、ブロックチェーン技術などを活用して支出削減を押し進めるマスク氏について、北尾氏は「実に偉大な男だと僕は思う」と称賛。「僕に彼ほどの能力があったらと思うが、残念ながら僕はあれ以上ではないわけで、今あるものをできるだけ努力と勉強で増やし続けていかないかんということ」としつつ、「だが、僕の今まで見てた世界の変化は後から振り返ってみると、この25年間、ほとんど失敗したことがない」と自負をのぞかせました。

 

加えて北尾氏は、傘下の暗号資産取引所であるVC TradeとBITPOINTの合計預かり資産残高は、DMM Bitcoinの買収効果もあり、6000億円、顧客数が100万口座を超えたと紹介し、「日本一の暗号資産交換業者を目指す」と宣言。セキュリティトークンの流通市場である大阪デジタルエクスチェンジの設立など、新たな事業領域への進出も積極的に進めていると説明しました。また、テレビなど国内オールドメディアを「お話にならない」と批判し、メディア、IT、金融を融合した新たなエコシステムを構築する考えも打ち出しました

 

北尾氏から「分からん人の寄せ集まり」と批判された政府高官、当局幹部もまた、フィンサムに登場しました。

ビデオメッセージで出演した加藤勝信・金融担当大臣は、web3に関連する政府における制度改正の取り組みを紹介。「直近の金融審議会においては、より簡便に暗号資産を取り扱うことができる仲介制度の導入や、ステーブルコインの裏付け資産の運用の弾力化等について提言がなされ、金融庁としてはこの提言の内容を実現すべく、今国会に資金決済法の改正案の提出を予定している」と説明。加えて、「昨年の秋より、投資対象としての暗号資産のあり方についての論点整理も行っている。その結果を踏まえて、必要な制度整備を検討していく」と話しました。

 

井藤英樹・金融庁長官は「今ある制度や既得権を守りたいとは思っていない。よりよく国民生活ができる経済社会の実現に寄与していくためには必要な見直しは何でも行っていくと考え、必要のない『見直しのための見直し』を行うことはしない」と説明。「守らざるを得ないものを守ることは忘れないが、金融庁は皆さんが生み出す次なるイノベーションを全力でサポートしていきたい」と述べました。

暗号資産に手を出すのは「TOO LATE NOW!」

北尾氏は、大統領再就任後の1月23日に「デジタル金融技術における米国のリーダーシップの強化」の大統領令に署名したトランプ氏を賞賛。その上で、「急速に仮想通貨についての関心が世界中で高まるという状況だが、今からやっても、僕から言わせれば遅すぎ。It’s too late now! 僕が本(2018年出版『これから仮想通貨の大躍進が始まる!』)を書いたぐらいのときからやっていて、ちょうどいい加減だ」と話しました。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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