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「J-FLEC」本格スタートから3カ月、電話相談は1日3~4件? 認定アドバイザー不在の県も

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2024.11.07
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「J-FLEC」本格スタートから3カ月、電話相談は1日3~4件? 認定アドバイザー不在の県も

新NISAとセットで「貯蓄から投資へ」の流れを後押しする切り札として設置された金融経済教育推進機構(J-FLEC)が、活動を本格スタートしてから3カ月が経ちました。講師派遣の年間実施回数1万回、年間参加人数75万人など「けっこう高め」の目標を設定していたJ-FLECの安藤聡理事長が先日、金融庁や業界団体幹部らを前に取組状況をプレゼン。全国で活動のサイクルを回し続けるうえでの課題が明らかになりました。

相談は10月も「数十件」

J-FLECは、岸田文雄前首相が掲げる「新しい資本主義」の掛け声のもと、NISA拡充と両輪を成す位置づけで、資産運用の裾野を拡大する機能を担う組織として設立されました。

 

8月2日には「J-FLECはじめてのマネープラン」電話相談を開始。同月14日には「標準講義資料」を一般公開。10月21日には個別相談の申込受付をスタートしました。

 

10月末に開かれたNISA推進戦略協議会の第2回会合で、官民の代表らを前に、J-FLECの安藤聡理事長が本格始動後の取組状況について報告しました。

 

安藤氏によると、8月2日~9月30日(39営業日)の「はじめてのマネープラン電話相談」で受け付けた相談の件数は133件。単純平均すると1営業日につき3~4件程度になる計算です。

相談者の多くが40代、50代、60代以上。相談分野をおおまかに分類すると、「資産形成」が48.1%で最も多く、「住宅・不動産」が13%、「年金」が11%とつづきました。

 

安藤氏は10月にも数十件の相談が寄せられたと明かしたうえで「こうした状況を見ても、NISA拡充を契機に、国民の資産形成に対する関心が急速に高まっていることを実感している」と述べました。

 

冒頭で触れたようにJ-FLECは当面の目標として、講師派遣等の年間実施回数や年間参加人数などのKPIをターゲットにしています(実施1万回、参加75万人)。安藤氏は就任当時の記者会見でこうした目標を「けっこう高め」と表現していました。

電話相談の件数が直接、指標に反映されるわけではありません。ただ、安藤氏が語った「国民の資産形成に対する関心」の受け皿として普及・浸透しているというには、相談件数として今のところ十分とはいえなさそうです。

 

関東ブロックでも認定「1人」の県が…

J-FLECが取り組むさまざまな啓発事業の軸となるのは、実働部隊であるアドバイザーの認定です。J-FLECでは、同機構へと啓発機能を集約する前から各機関で活用してきた既存講師(金融広報アドバイザー、金融・証券インストラクター、投資信託協会講師など)を先行的に認定。8月26日から新規の認定申請を始め、審査を経て順次、追加認定を進めています。

 

安藤氏によると、10月21日時点で637人を認定済といいます。

この637人の内訳をみると、年代別では60代が290人(45.5%)で突出し、金融機関のOBが多く認定されている実状が伺えます。50代が189人(29.7%)、40代(13.2%)とつづきました。

主な保有資格別では、CFPが293人(46%)で最多。AFPが122人(19.2%)、FP技能検定2級以上が110人(17.3)とつづいています。アドバイザーのなり手として税理士、司法書士など士業の認定も期待されていましたが、現状では30人(4.9%)と比較的少数にとどまっています。

 

都道府県別の分布でみると、東京124人がやはり突出。神奈川63人、大阪と埼玉が29人と、都市圏やその近郊に集中する傾向が見て取れます。

ただ、47都道府県中25県では認定が1桁台。それと別に高知県は現状、認定実績がゼロとなっています。また、比較的人数が多い関東ブロックの中で、山梨県は認定が1人にとどまっています。

 

「新しい資本主義」の文脈では、NISAと両輪の位置づけで、金融庁からも関係者調整等の経験が豊富な人材を出向させるといった手厚いサポートがありました。新政権が支持率が低迷するなか、金融リテラシー向上にかける行政側の熱量が継続されるか不安視する向きもあるなかで、J-FLECが全国にできるだけムラなく金融リテラシーを行き渡らせる活動を推進できるか、注目されます。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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