finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

横浜銀行のコンコルディアFG、PBRが0.3倍から0.8倍に改善 カギとなる「RORA」とは

若山 卓也
若山 卓也
金融ライター/証券外務員1種
2024.07.26
会員限定
横浜銀行のコンコルディアFG、PBRが0.3倍から0.8倍に改善 カギとなる「RORA」とは

新NISAのスタート、日経平均株価の史上最高値更新、日銀の国内マイナス金利政策の解除など、日本経済がさまざまな局面を迎えている昨今、Finasee編集部が厳選した「躍進する日本企業」を紹介していくシリーズ。今回は「コンコルディア・フィナンシャルグループ」について解説します。

日本に「金利ある世界」が到来しています。10年国債利回りは2024年5月に1%に達しました。1%台は2013年5月以来およそ11年ぶりです。

金利の上昇は一般に企業の利益を圧迫します。しかし銀行にとってはプラス要因です。金利が上昇すると利ざやの拡大が見込まれるためです。銀行株は近年、業績改善の期待から買われる展開が続いています。

出所:Investing.comより著者作成

ひときわ高い利ざやを持つのが、横浜銀行など3つの銀行を擁するコンコルディア・フィナンシャルグループです。3行合算の国内預貸金利ざやは0.9%を超え、地銀の平均を大きく上回っています。

【国内預貸金利ざや】
・コンコルディアFG:0.958%(3行合算、2023年度下期)
・地銀平均:0.24%(62行単体、2023年度)
※3行合算:横浜銀行、東日本銀行、神奈川銀行

出所:コンコルディアFG 決算説明会資料
出所:全国地方銀行協会 地方銀行の決算

今回はコンコルディアFGに焦点を当ててみましょう。同社の概要と業績を紹介します。またコンコルディアFGが取り組むPBRの改善策も解説します。

神奈川・東京の地方銀行 恵まれた地域ポテンシャルが強み

コンコルディアFGは神奈川と東京を地盤に持つ金融グループです。横浜銀行を中核に、第二地銀の東日本銀行(東京都)と神奈川銀行を子会社に持ちます。社名のコンコルディアとは、調和や協調を意味するラテン語です。

コンコルディアFGの強みはマーケットの大きさです。地盤である神奈川・東京は人口と企業が集中しており、経済規模は主要国に匹敵します。例えば両者の合計GDP(県内総生産)はメキシコを上回り、スペインに次ぐ水準です。

【主要国と神奈川・東京のGDP(県内総生産)の比較】
・オーストラリア:1兆6578億ドル
・スペイン:1兆4666億ドル
・東京+神奈川:1兆3258億ドル
・メキシコ:1兆3131億ドル
・インドネシア:1兆1865億ドル
※IMF “World Economic Outlook Database”, April 2024 神奈川県「県民経済計算」(2021年度)、東京都「都民経済計算」(2021年度)。

出所:コンコルディアFG 決算説明会資料

肥沃なマーケットを持つコンコルディアFGはトップクラスの規模を持ちます。特にグループ中核の横浜銀行は貸出金、預金で地銀首位です(単体、2024年3月期)。

【横浜銀行のバランスシート(単体、2024年3月期)】
・総資産:21兆8052億円(地銀2位)
・貸出金:14兆6130億円(同1位)
・預金:17兆9717億円(同1位)
・純資産:1兆0509億円(同3位)

出所:全国地方銀行協会 地方銀行の決算

株価も順調です。多くの銀行株と同様、コンコルディアFGの株式も右肩上がりに上昇しています。

出所:Investing.comより著者作成

日本に「金利ある世界」が到来しています。10年国債利回りは2024年5月に1%に達しました。1%台は2013年5月以来およそ11年ぶりです。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
次のページ 前期は債券ロスカットが痛手 今期は?
1 2 3

関連キーワード

  • #地域金融機関

おすすめの記事

楽天証券の売れ筋「米国株」にみるパフォーマンス格差、「高配当株(SCHD)」不振の理由は?

finasee Pro 編集部

【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
③ 金融行政に本部が過剰反応?対面金融機関の役割とは

finasee Pro 編集部

SBI証券の売れ筋インデックスファンドにみえる限界、波乱の株式市場の中でパフォーマンスによって人気を集めたファンドとは?

finasee Pro 編集部

【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
② 投信窓販において収益性と顧客本位をどう両立させるか

finasee Pro 編集部

【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか

finasee Pro 編集部

著者情報

若山 卓也
わかやま たくや
金融ライター/証券外務員1種
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
③ 金融行政に本部が過剰反応?対面金融機関の役割とは
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
② 投信窓販において収益性と顧客本位をどう両立させるか
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
楽天証券の売れ筋「米国株」にみるパフォーマンス格差、「高配当株(SCHD)」不振の理由は?
新プログレスレポートと金融庁幹部人事の背景を読む、キーワードは「官邸の弱体化」と「尻に火が付いた暗号資産対策」
【オフ座談会vol.6:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
【みさき透】金融庁はなぜ毎月分配型に「免罪符」を与える気になったのか
SBI証券の売れ筋インデックスファンドにみえる限界、波乱の株式市場の中でパフォーマンスによって人気を集めたファンドとは?
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
静銀ティーエム証券の売れ筋で際立つパフォーマンスをみせた「モノポリー戦略株式」とは?
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか
新プログレスレポートと金融庁幹部人事の背景を読む、キーワードは「官邸の弱体化」と「尻に火が付いた暗号資産対策」
【オフ座談会vol.6:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
② 投信窓販において収益性と顧客本位をどう両立させるか
【みさき透】金融庁はなぜ毎月分配型に「免罪符」を与える気になったのか
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉑
パフォーマンス好調な欧州株ファンドに約11年ぶり高水準の資金流入
金融庁が「プログレスレポート2024」の公表を休止した深いワケ 「FDレポート」との違いが出せなくなった?
静銀ティーエム証券の売れ筋で際立つパフォーマンスをみせた「モノポリー戦略株式」とは?
ゆうちょ銀・郵便局の売れ筋トップに新設の単位型ファンド、バランス型人気も続く
「自立と連携」を掲げて試行錯誤を重ね、確立された「銀証連携」モデルが新時代を拓く case of しずおかフィナンシャルグループ
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【アクティブファンド編】
「支店長! 一般職に投信のセールスをしろとおっしゃいますが、日常業務が忙しくてとても無理です!」
【文月つむぎ】投信だけでなく保険販売でもFDを徹底できるか?知っておきたい「保険業法」改正のポイント
【文月つむぎ】伊藤豊氏が金融庁長官に就任へ 
知っておきたい新長官&3局長の横顔
【文月つむぎ】「プラチナNISA」という言葉がない!自民党金融調査会の最新提言を読み解く
【特別対談】本音で語る“顧客本位”の理想と現実 現場と行政の対話が照らす「これからの投信窓販」
① 「長期・積立・分散」だけが顧客本位なのか
いわき信組の不正を見抜けなかった金融庁、「根本的な人員不足」も背景
浪川攻の一刀両断
手数料自由化とファンドラップから見る日本と米国の証券リテール改革の相違
新プログレスレポートと金融庁幹部人事の背景を読む、キーワードは「官邸の弱体化」と「尻に火が付いた暗号資産対策」
【オフ座談会vol.6:かやば太郎×本石次郎×財研ナオコ】
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2025 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら