finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

データの活用が日本の資産運用のさらなる高度化をもたらす

オルタナティブデータ活用の最前線

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2023.12.28
会員限定
データの活用が日本の資産運用のさらなる高度化をもたらす

運用業界において、にわかに注目される存在となったオルタナティブデータ。運用会社では数あるオルタナティブデータをどのように活用しているのか、一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会に所属する各社にインタビューした。最終回は、一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会の代表理事、東海林 正賢氏に語っていただいた。

世界でのオルタナティブデータの市場規模は約44億ドル(2022年時点)とされており、2030年にはその50倍の拡大が見込まれている成長分野です。しかし、国内運用業界のオルタナティブデータの活用は始まったばかりで、まだまだ発展途上にあると言えるでしょう。

日本のデータ市場のさらなる活性化のためには①レギュレーション、②人材不足、③コストという、個別企業だけでは解決が難しい課題を乗り越えていく必要があります。そこで、中立的な立場からこれらの問題に対応するべく、2021年に一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会を設立しました。

一般社団法人オルタナティブデータ推進協議会 代表理事 東海林 正賢氏

当初の会員は十数社・団体でスタートしましたが、この3年弱で116まで増えています(2023年11月27日時点)。会員はデータのユーザーやベンダー、研究機関、公的機関などさまざまで、協議会を通して多様な意見交換が行われています。

協議会として、上記の3つの課題に対してさまざまな角度から取り組んでいます。①レギュレーションについては、正しくデータが利活用されなければ業界自体が縮小しかねません。そこで、海外の事例も参考にしてチェックリストを作成し、加入企業にはその内容を理解した上で適切な体制を整えることを求めています。

②人材不足に関しては、データサイエンティストは多くの分野で求められていますが、金融や経済分析のスキルを併せ持つ人材は特に少ないです。加えて金融機関内においてもデータ人材の地位が確立されているとは言い難い状況もあります。

③コストは、データの購入とそこから得られる効果を明確に説明することは困難であることが挙げられるでしょう。オルタナティブデータをどう使用して、そこからどんな成果が生まれたのか、という事例は表には出てきにくいものです。

そこで②と③に対しては、協議会を通してさまざまなデータのユースケースを示すことや、メンバー内で知見を共有することが有効でしょう。実際、協議会での情報交換からベンダー同士が連携し、新しいアイデアが生まれた事例も多く存在します。協議会としても他の関連団体との連携を進めて情報交換を積極的にしており、これにより、データ分析に必要なスキル標準の定義を行うことも可能になります。

加えて、会員を対象にしたアンケートを基に「オルタナティブデータFACTBOOK」というレポートを作成して公表したり、フォーラムを開催するなど、情報発信にも力を入れています。私自身、海外のセミナーなどに参加すると、地政学リスクなどの影響でアジア地域の投資において外国人投資家による日本市場見直しの動きを感じます。オルタナティブデータの提供が進めば、海外からの投資も促されるのではないでしょうか。

オルタナティブデータの活用は資産運用立国を掲げる政府の方針とも合致していますし、アクティブ運用が多様化すれば国内市場の厚みも増すでしょう。これまで協議会が行ってきた地道な努力が、実を結びつつあるように感じられます。

世界でのオルタナティブデータの市場規模は約44億ドル(2022年時点)とされており、2030年にはその50倍の拡大が見込まれている成長分野です。しかし、国内運用業界のオルタナティブデータの活用は始まったばかりで、まだまだ発展途上にあると言えるでしょう。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
1

関連キーワード

  • #株式
  • #債券
  • #オルタナティブ

おすすめの記事

金利高止まりで足利銀行の売れ筋が二極化──「のむラップ」と「世界のベスト」が示した投資家の選好

finasee Pro 編集部

【有識者対談】“正念場”の保険業界に学ぶ「顧客本位のビジネスモデル」の持続性(前編)

川辺 和将

金利上昇で広島銀行の売れ筋に変化、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」選好の理由は?

finasee Pro 編集部

【第3回】オルタナティブ資産ファンドは何を見て選ぶのか

八杉 哲史

浜銀TT証券の売れ筋に大きな変化、「WCM」がトップを取り、「AB米国成長株投信」が3カ月ぶりランクイン

Finasee編集部

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
【有識者対談】“正念場”の保険業界に学ぶ「顧客本位のビジネスモデル」の持続性(前編)
金利高止まりで足利銀行の売れ筋が二極化──「のむラップ」と「世界のベスト」が示した投資家の選好
“霞が関文学”で読み解く金融界② 仕組債販売ルール指針案と「文脈検査の拡張」
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第21回:“106万円の壁”撤廃の影響を受けるセクターとは
【第3回】オルタナティブ資産ファンドは何を見て選ぶのか
「支店長!お客さまが迷惑そうなので、電話をしたくありません!」
金利上昇で広島銀行の売れ筋に変化、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」選好の理由は?
浜銀TT証券の売れ筋に大きな変化、「WCM」がトップを取り、「AB米国成長株投信」が3カ月ぶりランクイン
【金融風土記】「豊かさと分散」の経済圏――山形の金融動向とは
「IFA管理のガイドライン策定を」――日証協が提言を受け新作業部会を設置
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第21回:“106万円の壁”撤廃の影響を受けるセクターとは
「支店長!お客さまが迷惑そうなので、電話をしたくありません!」
【第3回】オルタナティブ資産ファンドは何を見て選ぶのか
アセット・スワップで有効性検証をあえてやってみたら?
「AIはポジティブ回答に寄っていることも…」投資のプロが“実際に行っている”情報インプット術
金融行政方針が示す「次の金融」の輪郭――資産運用立国を、商品からインフラへ 
物色のテーマ、株価指標さえも時には変わる…ベテランファンドマネジャーが平成バブルで得た教訓
「IFA管理のガイドライン策定を」――日証協が提言を受け新作業部会を設置
金利上昇で広島銀行の売れ筋に変化、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」選好の理由は?
「攻め」と「守り」の均衡点はどこに?--2026事務年度金融行政方針のポイント解説
預り資産額1兆円を見据えるブレイクスルーの全貌  ゴールベースとチーム体制でリテール金融を変える
「支店長!お客さまが迷惑そうなので、電話をしたくありません!」
【金融風土記】「豊かさと分散」の経済圏――山形の金融動向とは
日本版IFAに迫る自主規制の刃、そのとき求められる真の「独立」とは何か
【第2回】債券ファンドは何を見て選ぶのか
お客さまとその家族を深く知り、寄り添い続け、総資産の増加を目指すストックビジネスへ case of 横浜銀行
「真剣な姿勢できれいごとを貫く」時代を捉え、顧客に寄り添い、自ら変革し続ける case of 三菱UFJモルガン・スタンレー証券
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第21回:“106万円の壁”撤廃の影響を受けるセクターとは
上位4ファンドの「オルカン」「S&P500」「世界のベスト」「グロース・オポチュニティ」にそれぞれの事情=2026年8月純流入額トップ20
投信ビジネスに携わる金融のプロに聞く!「自分が買いたい」ファンド【日本株アクティブファンド編】
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら