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米国の年金でも浸透する暗号資産 ブロックチェーン技術が投資にもたらす可能性とは?

Finasee編集部
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2026.04.07
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米国の年金でも浸透する暗号資産 ブロックチェーン技術が投資にもたらす可能性とは?

すでに日本でも定着しつつある暗号資産。2028年には上場株式など同じく申告分離課税とする法改正が実施される見込みだという報道があり、今後の動向に注目が集まっている。しかし、暗号資産の可能性は投資対象としてだけでなく、その技術そのものにあるという。

暗号資産やブロックチェーンを活用しトークン化したデジタル資産の運用に積極的に取り組む米国の運用会社、フランクリン・テンプルトンでインダストリー・アドバイザリー・サービス グローバル責任者を務めるロバート・クロスリー氏による講演をもとに、暗号資産の可能性をレポートした。

フランクリン・テンプルトン インダストリー・アドバイザリー・サービス グローバル責任者 ロバート・クロスリー氏

投資対象としての暗号資産

暗号資産は日本でも徐々に浸透してきており、自身や家族、あるいは知人が投資している方も多いのではないだろうか。報道によれば、暗号資産を金融商品の一種に加える法改正が今年の国会で審議され、2028年には同法案が施行される見込みだという。この法改正により、暗号資産で得た利益の税率が最大55%から一律20%へ大幅に引き下げられるほか、暗号資産のETF(上場投資信託)化の解禁などが予定されている。日本での暗号資産の利用がより活発になるだろう。

そんな暗号資産が最も活発に取引されているのが米国だ。米国では、日本より一足先に2010年代から暗号資産に関する法整備が進んでおり、年金基金のような機関投資家が実際に投資する例も出てきている。加えて、確定拠出型年金(DC)で暗号資産を含むオルタナティブ資産への投資が可能になるようトランプ氏が大統領令に署名したことで話題にもなった。

クロスリー氏によれば、リターンが高いというイメージは特に若い世代に定着しており、ある調査では、退職に向けての投資で資産の成長に貢献してくれそうな投資対象は何かという問いに対して、年齢層が高い世代は1位が国内株式(米国株式)、2位が不動産、3位が外国株式(米国外の株式)と回答した一方で、若い世代は1位が不動産、2位がデジタルアセット、3位がプライベート・エクイティと回答したそうだ。

暗号資産が選ばれる理由は、リターンの高さだけではない。フランクリン・テンプルトンの試算では、株式と債券が60:40の比率など米国の伝統的なスタイルで運用している場合、2~5%ほど暗号資産を組み込めばリスク・リターン効率の改善が期待でき、リスク分散の観点からも有効だという。

投資する際の注意点としては、クロスリー氏は「暗号資産と言えばビットコインというように一つの商品・サービスだけを代表して捉えるべきではないでしょう」と指摘する。個々のブロックチェーンは国際分散投資に例えるとそれぞれが別の国のようなもので、使われている技術が異なれば、得意とする分野も違う。そのため、潜在するリスクも暗号資産ごとに別であり、投資する際にはそうした違いを理解した上で行うことが重要になるという。

ブロックチェーンが投資の基盤になる可能性がある

しかし、暗号資産を単なる投資対象とみるのは十分ではないとクロスリー氏は言う。「暗号資産というと、商品の価格変動のみにフォーカスしてしまいがちです。ビットコイン価格の上下がヘッドラインを飾りやすいのは事実ですが、実はそれよりも重要なのがブロックチェーンという技術が投資にもたらすさまざまな効用と将来性です。こちらの方がはるかに大きなインパクトを今後世の中に与えていくと考えており、弊社としてはそこに経営資源を集中させています」(クロスリー氏)。

どのように投資でブロックチェーンが活用されるのか。フランクリン・テンプルトンでは、取引の基盤になるインフラとしてブロックチェーンが活用され、個別の商品がブロックチェーンを介して売買される将来が訪れる可能性があると予測している。具体的には、米国では投資信託をETFに転換する流れが強くなっており、このETFがブロックチェーンによりトークン化されて取引される未来が近いと予想しているのである。

気になるのはそのメリットだ。ETF化により投資信託がリアルタイムで機動的に売買できるようになったが、トークン化は投資にどんな効果をもたらすのか。

クロスリー氏が挙げたのは透明性だ。ブロックチェーンでは、事前にプログラムに仕込んだ契約条件や内容に従い、人の手を介さずに売買する「スマートコントラクト」が活用されている。この技術により取引の手間が軽減されることに加え、ブロックチェーンがインターネットを介して誰にでもアクセス可能であることから、透明性を高め、セキュリティも強固になる。この技術を応用すれば、「NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)の形式で発行されるコンサートのチケットにグッズの割引や優先席があらかじめ組み入れられているように、金融商品にも買い手ごとにサービスを設定可能です。こうした技術の活用が進めば、より個々の投資家のニーズに合致した運用を実現することができるようになります」とクロスリー氏は語った。

また、トークン化される資産が増えれば、今までは個別の口座で管理していた資産を、ウォレットとして一つのシステム上に集約し、一元管理が可能になるという。さらに、資金移動の効率化につながる。「巨額な資金を銀行間で送金するには数日を要していましたが、ブロックチェーンを活用すれば即時で送金可能となります。資金は日々利回りを生み続けるため、この間のロスを防ぎ、資金を有効に活用できるでしょう」(クロスリー氏)。

投資対象としても、技術としても期待が高まる暗号資産は、金融市場や投資環境をどのように変えるのか。今後に注目したい。

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「一億総資産形成時代、選択肢の多い老後を皆様に」をミッションに掲げるwebメディア。40~50代の資産形成層を主なターゲットとし、投資信託などの金融商品から、NISAや確定拠出年金といった制度、さらには金融業界の深掘り記事まで、多様化し、深化する資産形成・管理ニーズに合わせた記事を制作・編集している。
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