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「Japan Fintech Week」初日、金融庁幹部が暗号資産ETFの解禁にあっさり言及

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2026.03.03
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「Japan Fintech Week」初日、金融庁幹部が暗号資産ETFの解禁にあっさり言及

金融庁はこれまで暗号資産ETFの解禁について表立った明確な言及を避けてきましたが、足元で風向きの変化がみられます。2月下旬に開催されたイベントに登壇した金融庁の担当官は、制度整備を前提としたETF解禁を検討する考えを明言。3月3日から始まる年1度のフィンテックイベント「FIN/SUM2026」(金融庁など主催)でも、暗号資産の「大衆化」を見据えた議論が加速することになりそうです。

 

金融庁が音頭を取り、フィンテックなど金融関連のイベントを集中開催する「ジャパン・フィンテック・ウィーク」。初日に当たる2月24日には、金融庁総合政策局でフィンテック・デジタル分野を担当している島崎征夫参事官がデジタル通貨カンファレンス(N.Avenue主催)に登壇。暗号資産やステーブルコインをめぐる行政・制度運営の動向について説明しました。

 

暗号資産については、昨年12月に金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ」報告書の提言をベースとして、すでに根拠法令を資金決済法から金融商品取引法に移行することが決まっています。島崎氏は、「改正法案については、早期に国会へ提出することを目指している」と説明。ハッキングによる暗号資産の流出などを防ぐため、「事業者と密接に連携しながら、実効性の高い対応を進めていきます」と述べました。

暗号資産(現物)の金商法移行に加え、伝統的金融機関も取り扱いやすい暗号資産ETFの解禁についても、業界内外で注目が集まっています。前出の報告書では国内での解禁に直接言及する記述がなく、ワーキング・グループの出席委員からも「速やかな検討開始を期待する」(11月の最終会合での発言)といった要望が上がっていました。

報告書の公表からおよそ1カ月半。この日のカンファレンスで島崎氏は、「法整備等の対応を前提に暗号資産ETFの組成を可能とする制度の見直しも検討していきます」と発言。もはや解禁への積極性を金融庁として隠すつもりがない考えを示した格好です。

 

トークン化預金等でも実証支援を視野に

金融庁は従前から、法的論点の整理などを通じて事業者側の意欲的な実証を支援する「FinTech実証実験ハブ」を運営してきました。昨年11月にはこのハブの枠内に、決済分野に特化したPIP(決済高度化プロジェクト)を設置。島崎氏は「ブロックチェーンを活用した新しい決済手段の具体的なユースケースを作っていく意欲的な取り組みについて、制度面や技術面の課題を乗り越えられるように、金融庁として支援していこうと考えている」と狙いを説明しました。

 

PIPの支援案件第1号は、複数の銀行グループによるステーブルコインの共同発行とクロスボーダー決済に関する実証実験。3メガ、三菱UFJ信託銀行、三菱商事、Progmat社が参画しています。島崎氏は、「このプロジェクトはステーブルコインで行われていますが、もちろんトークン化預金などを使ってクロスボーダー決済を先進的に行っていくことも、送金の際の有力な選択肢の一つだと思います。新しい取り組みを法的見地・技術的見地からサポートすることが必要な案件ということであれば、金融庁として積極的に支援をしていきたいと考えています」と述べました。

PIP支援案件第2号案件は、ステーブルコインを用いた有価証券決済に関する実証実験。こちらは、野村證券、大和証券、3メガグループが参画しています。「証券DVPの実現は資本市場の国際競争力の向上や開かれた市場への発展の第一歩。即時移転による決済リスクの低減、事務負担の軽減に加え、将来的に24時間365日の証券取引を実現して、海外投資家を含む幅広い投資家層を呼び込むことにつながるなどのメリットも考えられていると思います」と島崎氏。「実証実験では証券の引き渡しと決済にスポットライトが当たっていますが、取引の照合に広がっていくことで証券取引に関するプロセス全体の改善を意図したプロジェクトが、今後さらに進んでいくものと期待しています」

 

また、商流と金流をつなげて更なる効率化を模索する民間側の動きに触れ、「そのための決済手段としてはステーブルコインも考えられるし、トークン化預金など、デジタル通貨全般について新しいことが進められていくことをサポートしていきたい」と語りました。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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