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石破カラー残る「地域金融力強化策」、高市政権はいかに脱色・染め直しをするか?

川辺 和将
川辺 和将
金融ジャーナリスト
2025.11.12
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石破カラー残る「地域金融力強化策」、高市政権はいかに脱色・染め直しをするか?

金融庁が10月末に開いた「地域金融力の強化に関するワーキンググループ」第3回会合。地域創生を得意分野とする石破政権下で始まった「地域金融力」に関する議論ですが、今後、石破カラーを「脱色」し、新政権下でどう新たな色味を加えていくのかが注目点になっています。高市政権下で初めての開催となる今回の会合では、基本的には既定路線をなぞりつつも、企業のエクイティ支援など、高市政権が掲げる成長戦略とリンクする可能性も印象付けました。

合併・統合を阻む「システム会社の壁」に挑む

会合では、国(預金保険機構)が優先株の引き受けて経営基盤強化を支援する資本参加制度と、合併・統合などに必要なコストの一部を支援する資金交付制度が議題に上りました。

金融機能強化法に基づく2つの制度は、どちらも現行ルールでは来年3月に申請期限を迎えます。金融庁側は法改正によって申請期限を延長する方向性を提示。また、資金交付制度については延長だけでなく、以下のように支援内容そのものを拡充する案を示しました。

・交付上限額(現行30億円)の引き上げ

・支援対象にシステム解約違約金などを追加

・システムの共同化に対する支援枠組みの整備

交付上限額の引き上げは制度拡充策を象徴する項目として目を引きますが、解約違約金の交付、システム共同化の支援も注目したいところです。

 

事業者とシステム会社の契約では、特定のシステム会社との契約したあと、他のシステム会社に乗り換えることが難しくなる「ベンダーロックイン」と呼ばれる事象が問題視されています。合併・統合に伴ってシステム会社に支払うことになる解約違約金の負担が重すぎると、合併したくでもできない、あるいは吸収する側が及び腰になり議論が進まないといった影響が考えられます。違約金を交付対象に追加することで、合併に向けた議論のハードルを引き下げる狙いがあるのです。

また、そもそも資金交付制度は地銀の再編促進を主眼に置いた制度ですが、セキュリティや不正対策といった非競争領域のシステム共同化を交付対象に加えることで、支援の幅が拡大・柔軟化することになります。システムの共同化は結局のところ将来的な合併・統合の布石になるとの見方もありますが、事務局側では政策の効果が比較的短期間で検証しやすい、現実的な落としどころを意識し始めていると言えそうです。

 

エクイティ支援で「高市色」?

金融機関が地域企業を支援する選択肢を増やすため、投資専門会社に関して以下のような規制緩和も議題に上りました。

 

・事業承継会社については上場企業でも資金供給を解禁

・非上場会社の上場後も資金供給を続けるクロスオーパー投資の解禁

・株式会社以外への資金供給の解禁

参加した有識者委員からは事務局が示した方向性におおむね賛同する意見が相次ぎました。ある委員は前回会合で「各地域金融機関において投資専門会社を積極的に活用し、エクイティとデットの両面からの支援とコンサルを通じて経験値を高めることが非常に重要だ」と指摘しました。企業に対するエクイティ支援の強化策については、戦略分野・成長分野への投資促進を掲げる高市政権の政策方針との親和性の高さが見受けられます。年内に政府として策定する「地域金融力強化プラン」において、政権の全体方針とどのようにリンクさせるのかが注目点となりそうです。

 

資本参加制度についても、おおむね賛同の意見が相次ぎましたが、一部委員からは、いわき信用組合で発覚した迂回融資・反社会勢力への資金提供などの不祥事を踏まえた慎重な議論を求める声も上がっていました。

合併・統合を阻む「システム会社の壁」に挑む

会合では、国(預金保険機構)が優先株の引き受けて経営基盤強化を支援する資本参加制度と、合併・統合などに必要なコストの一部を支援する資金交付制度が議題に上りました。

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著者情報

川辺 和将
かわべ かずまさ
金融ジャーナリスト
金融ジャーナリスト、「霞が関文学」評論家。毎日新聞社に入社後、長野支局で警察、経済、政治取材を、東京本社政治部で首相官邸番を担当。金融専門誌の当局取材担当を経て2022年1月に独立し、主に金融業界の「顧客本位」定着に向けた政策動向を追いつつ官民双方の取材を続けている。株式会社ブルーベル代表。東京大院(比較文学比較文化研究室)修了。
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