finasee Pro(フィナシープロ)
新規登録
ログイン
新着 人気 特集・連載 リテール&ウェルス 有価証券運用 金融機関経営 ビジネス動画 サーベイレポート

アセットマネジメントOne杉原規之社長に聞く(後編)
運用会社だからできる金融教育、総合金融だからできるリタイアメント・プランニング

finasee Pro 編集部
finasee Pro 編集部
2024.09.17
会員限定
アセットマネジメントOne杉原規之社長に聞く(後編)<br />運用会社だからできる金融教育、総合金融だからできるリタイアメント・プランニング

政府が掲げる資産所得倍増プランに基づき、金融経済教育推進機構(J-FLEC)が8月に始動した。アドバイスの中立性を確保するという理由で、金融機関に属する者はJ-FLECの認定アドバイザーに就くことができない。アセットマネジメントOneは民間の運用会社として、どのような啓発活動を展開する方針なのだろうか。また、リタイアメント層にはどのようにアプローチしていくのか。杉原規之社長に聞いた。

――金融経済教育の一環として、どのような啓発活動を展開する方針ですか。

われわれ運用会社の社会的役割とは、中長期的な資産運用の裾野を拡げることです。個別商品の開発やプロモーションに加えて、そもそも投資とは何か、お金を育てるとはどういうことか、そのお金が企業の成長や社会課題の解決につながっていくのかを粘り強く伝える啓発活動も重要です。マネーのサステナブルな循環への理解が深まれば、目先の利益を狙った短期的な売買も抑えられるはずです。

当社は2023年10月に「未来をはぐくむ研究所」を設立し、個人の資産形成や金融ウェルビーイングに関する情報発信や調査、分析など、運用会社だからこそできる金融経済教育の啓発・普及活動を進めていきます。

お金の教育に「早すぎる」ということはありません。子供向け職業体験テーマパーク「キッザニア」を運営するKCJ GROUPと提携し、同社が開発したアプリ「キッザニア オンラインカレッジ」にファンドマネジャーの仕事を学べるコンテンツの提供を始めました。また、小学館が運営する子育て情報メディア「HugKum」(はぐくむ)に、「親子で学ぶ『マネーの本質』」というコラムも掲載しています。

大学での出張講座も行っており、ときどき私も教壇に立って学生に教えます。驚いたのは、経済学部の学生でも資産運用になじみのない人が多いことです。米国では資産運用業がどのような展開をたどり、日本の資産運用業が今後どうなっていく見通しなのかという全体像を話した上で、運用会社の役割には、他人の資産を預かるという受託者の部分と預かったお金を投資するという投資家の部分という2つの側面があり、「投資」には投資先企業の成長を促すという働きがあることも伝えるようにしています。すると学生たちから「投資とは、いかにお金を儲けるのかということだと思っていた。企業の成長を促して社会の豊かさをもたらしていると聞き、その意義の大きさを初めて知った」という感想が多く寄せられます。今のZ世代はサステナビリティや社会への貢献に対する感度が高いことを改めて認識しました。今後もさまざまなチャネルを通じ、日本の将来を担う若い世代にも投資と社会のつながりを伝え続けていきたいです。

――職域やリタイアメントサービスへの関心も高まっています。

日本の場合、公的年金や企業年金の制度が複雑に入り組んでいるため、個人のインフローとアウトフローを一元的に把握して管理することが困難な状況にあります。DB・DC・公的年金、自身が投資しているNISA口座の資産状況などを一覧化できるようになると、老後のお金のあり方を主体的に決めやすくなります。そのような環境を整えていくことが、運用会社やDB総幹事、DC運営管理機関、カストディ銀行等を擁する総合金融グループに対する役割期待とも言えるでしょう。当社は現在、みずほ銀行や第一生命などと議論を重ねながら、将来的な老後資産のワンストップでの見える化に向けた研究を始めています。

また、年金シニアプラン総合研究機構やティー・ロウ・プライス・ジャパンと連携し、「資産形成を社会実装するための長期研究チーム」を立ち上げました。職域における資産形成・金融経済教育などに関する調査を実施し、その結果を今年度下期に公表する予定です。ティー・ロウ・プライスは米国におけるリタイアメント運用のパイオニアですので、その知見を生かしながら有意義な提言ができればと考えています。

――金融経済教育の一環として、どのような啓発活動を展開する方針ですか。

われわれ運用会社の社会的役割とは、中長期的な資産運用の裾野を拡げることです。個別商品の開発やプロモーションに加えて、そもそも投資とは何か、お金を育てるとはどういうことか、そのお金が企業の成長や社会課題の解決につながっていくのかを粘り強く伝える啓発活動も重要です。マネーのサステナブルな循環への理解が深まれば、目先の利益を狙った短期的な売買も抑えられるはずです。

続きを読むには…
この記事は会員限定です
会員登録がお済みの方ログイン
ご登録いただくと、オリジナルコンテンツを無料でご覧いただけます。
投資信託販売会社様(無料)はこちら
上記以外の企業様(有料)はこちら
※会員登録は、金融業界(銀行、証券、信金、IFA法人、保険代理店)にお勤めの方を対象にしております。
法人会員とは別に、個人で登録する読者モニター会員を募集しています。 読者モニター会員の登録はこちら
※投資信託の販売に携わる会社にお勤めの方に限定しております。
モニター会員は、投資信託の販売に携わる企業にお勤めで、以下にご協力いただける方を対象としております。
・モニター向けアンケートへの回答
・運用会社ブランドインテグレーション評価調査の回答
・その他各種アンケートへの回答協力
1

関連キーワード

  • #金融リテラシー

おすすめの記事

顧客本位と投信ビジネスの成長を両立させるアクティブファンド活用論

中村 裕己

楽天証券で「半導体関連株」に警戒感、インデックスファンド一辺倒からアクティブファンドの活用も視野

finasee Pro 編集部

個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―

文月つむぎ

「年金向けオルタナ商品を収益の柱にせよ」?--‟第3世代”資産運用プログレスレポート、角度をつけて読んでみた

川辺 和将

佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

佐々木 城夛

著者情報

finasee Pro 編集部
ふぃなしーぷろへんしゅうぶ
「Finasee」の姉妹メディア「Finasee PRO」は、銀行や証券会社といった金融機関でリテールビジネスに携わるプロフェッショナルに向けたオンライン・コミュニティメディアです。金融行政をめぐる最新動向をはじめ、金融機関のプロフェッショナルにとって役立つ多様なコンテンツを日々配信。投資家の皆さんにも有益な記事を選りすぐり、「Finasee」にも配信中です。
続きを読む
この著者の記事一覧はこちら

アクセスランキング

24時間
週間
月間
顧客本位と投信ビジネスの成長を両立させるアクティブファンド活用論
個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
「年金向けオルタナ商品を収益の柱にせよ」?--‟第3世代”資産運用プログレスレポート、角度をつけて読んでみた
「売る」から「支え続ける」へ――「プログレスレポート2026」が示す資産運用サービス改革の現在地
楽天証券で「半導体関連株」に警戒感、インデックスファンド一辺倒からアクティブファンドの活用も視野
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
「支店長! お客さまとの雑談が大切とおっしゃいますが、何を話していいかわかりません。時間もありません!」
広島銀行の売れ筋で「ポラリス」と「世界経済インデックス」が逆転、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

「売る」から「支え続ける」へ――「プログレスレポート2026」が示す資産運用サービス改革の現在地
個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
【みさき透】資産運用立国プランは残った--内閣官房の新金融戦略、“民権派”からの権力シフトを経て
【連載】藤原延介のアセマネインサイト㉞
変動の大きい市場環境の中、投信市場への資金流入は過去最高に
「年金向けオルタナ商品を収益の柱にせよ」?--‟第3世代”資産運用プログレスレポート、角度をつけて読んでみた
「支店長! お客さまとの雑談が大切とおっしゃいますが、何を話していいかわかりません。時間もありません!」
楽天証券で「半導体関連株」に警戒感、インデックスファンド一辺倒からアクティブファンドの活用も視野
【第1回】株式ファンドは何を見て選ぶのか
「支店長! お客さまとの雑談が大切とおっしゃいますが、何を話していいかわかりません。時間もありません!」
2026年3月期の地銀・第二地銀「預り資産取扱い動向」を読み解く
【金融風土記】一筋縄ではいかない「晴れの国」、岡山県の金融動向とは
「骨太の方針・日本成長戦略」と家計の資産形成――問われる「貯蓄から投資へ」の先

佐々木城夛の「バタフライ・エフェクト」第20回:生活道路の「30キロ規制」が各セクターにもたらす意外な影響とは

「売る」から「支え続ける」へ――「プログレスレポート2026」が示す資産運用サービス改革の現在地
個別商品から、経営の仕組みへ―金融庁モニタリング結果(FDレポート)が示した顧客本位の次の段階―
デジタル時代における地方銀行の勝ち筋
- アンケートから読み解く顧客行動とAI活用の方向性 -
広島銀行の売れ筋で「ポラリス」と「世界経済インデックス」が逆転、米国株は「S&P500」より「メジャー・リーダー」
ランキングをもっと見る
finasee Pro(フィナシープロ) | 法人契約プランのご案内
  • 著者・識者一覧
  • 本サイトについて
  • 個人情報の取扱いについて
  • 当社ウェブサイトのご利用にあたって
  • 運営会社
  • 個人情報保護方針
  • アクセスデータの取扱い
  • 特定商取引に関する法律に基づく表示
  • お問い合わせ
  • 資料請求
© 2026 finasee Pro
有料会員限定機能です
有料会員登録はこちら
会員登録がお済みの方ログイン
有料プランの詳細はこちら