<前編のあらすじ>

職場での叱責からうつ病を発症し、退職した吉岡菜穂さん(仮名、28歳)。障害年金の請求を検討する一方で、将来への不安から再就職も考え始めます。
しかし「働くと年金は停止される?」との疑問が浮かび、社会保険労務士である筆者に相談することになりました。

●前編:「おまえ仕事を何だと思ってるんだ!」トラブル連発でパワハラ上司の標的に…28歳女性が気付いた生きづらさの「本当の原因」

障害厚生年金の請求へ…気になる「支給額」は?

菜穂さんには発達障害があり、それが原因でうつ病を発症。正社員としてフルタイムで働くことは難しい状態にあるため、障害年金の請求を検討することになりました。ただし障害年金を請求するためには、その前にいくつか確認をしておく必要があります。

そこで筆者はさらに菜穂さんから聞き取りをすることにしました。

菜穂さんが心の不調で初めて病院を受診した日(初診日)には、会社員として厚生年金に加入していました。よって菜穂さんは障害厚生年金を請求することになります。

次に保険料の納付要件の確認です。保険料の納付要件には、初診日の前日時点で年金の未納が多すぎるとそもそも障害年金を請求することができないという厳しいルールがあるからです。

菜穂さんによると20歳から22歳で就職するまでは学生納付特例制度を利用し、大学卒業後は就職して厚生年金に加入したとのこと。よって年金の未納が多すぎるといったことはありません。

以上のことから菜穂さんは障害厚生年金を請求する権利が発生することがわかりました。

障害厚生年金には1級から3級があり、最も障害状態が軽いものは3級となります。仮に障害厚生年金の3級に該当した場合、月額換算で約5万2950円になります(2026年度の金額で最低保障額として)。