交際相手への信頼も揺らぎ始める

さまざまな費用を考慮すると手元の現金だけではとても払いきれず、叔父に泣きついて会社から低利の融資を受けることにしました。今後の役員報酬から少しずつ返済していくことになります。

事情を話すと経理部長には嫌な顔をされ、社内では私が20も年下の若い女性に入れ込んで妻子を捨てて離婚するに至り、金欠で困っているようだという噂が広まっているようです。

大筋は事実ですし、自分の身から出た錆なのでやむを得ないのですが、取引先や業界にネガティブな情報が拡散されたら仕事にも差し支えますし、叔父の次の社長の座を狙っている私にとっては大きな瑕疵となりかねません。

離婚が決まった後の言動から梨沙への信頼も揺らいでいます。今思えば、離婚は私が梨沙と出会ったことよりも、妻の麗美がサロンの仕事を手伝うようになって以降の変化についていけなかったことが原因だったのかもしれません。

麗美は働き始めてからも私の妻としての役割はしっかり果たしてくれていました。恐らくは梨沙との関係も早くに気付いていたはずです。探偵事務所を使ったのは堪忍袋の緒が切れたからで、要は、私が好き勝手にやり過ぎたのです。

叔父の「離婚になったら高くつくぞ」という警告はまさにその通りで、私はこれから金銭に限らず高い代償を払っていくことになるのでしょう。

今さらそんなことが分かっても元の鞘に収まれるわけでもなく、このまま梨沙と再婚していいのかどうか、悩める日々を送っています。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。