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東京きらぼしFGが公的資金の完済にメド 業績が急拡大した理由とは

若山 卓也
若山 卓也
金融ライター/証券外務員1種
2024.09.27
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東京きらぼしFGが公的資金の完済にメド 業績が急拡大した理由とは

新NISAのスタート、日経平均株価の史上最高値更新、日銀の国内マイナス金利政策の解除など、日本経済がさまざまな局面を迎えている昨今、Finasee編集部が厳選した「躍進する日本企業」を紹介していくシリーズ。今回は「東京きらぼしフィナンシャルグループ」について解説します。

東京きらぼしフィナンシャルグループは2024年3月、公的資金の完済計画を公表しました。東京都から出資を受けた400億円分の優先株について、2028年度までに償還する内容です。また三井住友信託銀行が出資した150億円分の優先株も、2029年度までの償還を目指します(出所:東京きらぼしFG ニュースリリース(2024年3月28日))。

東京きらぼしFGの業績は足元で好調です。従来は100億円未満にとどまっていた経常利益は、2021年度以降は200億円~300億円を計上しています。「市場環境次第では前倒しの償還完了も検討」するとしており、計画より早く完済できるかもしれません。

今回は東京きらぼしFGに焦点を当ててみましょう。同社の概要と業績、また推進中の中期経営計画を紹介します。

東京地盤の地銀グループ きらぼし銀行は3行が合併して誕生

東京きらぼしFGは、きらぼし銀行を中核に持つ金融グループです。2014年に東京都民銀行と八千代銀行が統合して設立されました(当時は東京TYフィナンシャルグループ)。さらに2016年に新銀行東京を子会社化し、2018年に3行を合併して誕生したのがきらぼし銀行です。

冒頭の公的資金は、新銀行東京が受けたものです。新銀行東京は、東京都が旧BNPパリバ信託銀行の全株式を取得し2005年に開業しました。当初から赤字が続いていたところ、2008年に東京都が追加出資して救済した経緯があります。

その後、東京きらぼしFGはスマートフォン取引に特化したUI銀行を2022年に開業し、グループに2つの銀行を持つ2行体制となっています。

中核行のきらぼし銀行は東京都を地盤に持つ地方銀行です。本店を東京都に持つ地域金融機関としては最大級の規模を持つとみられています。全国では中堅的な位置付けで、総資産は地銀62行中24位、貸出金は同21位です。

【東京都に本店を置く地銀・第二地銀の総資産(単体、2024年3月期)】
・きらぼし銀行:7兆0792億円
・東京スター銀行:2兆3112億円
・東日本銀行:2兆1904億円

出所:各社の決算公告

【きらぼし銀行の概要(単体、2024年3月期)】
・総資産:7兆0792億円(地銀62行中24位)
・貸出金:4兆8331億円(同21位)
・有価証券:9227億円(同34位)
・預金:5兆4728億円(同29位)

出所:全国地方銀行協会 地方銀行の決算

東京きらぼしフィナンシャルグループは2024年3月、公的資金の完済計画を公表しました。東京都から出資を受けた400億円分の優先株について、2028年度までに償還する内容です。また三井住友信託銀行が出資した150億円分の優先株も、2029年度までの償還を目指します(出所:東京きらぼしFG ニュースリリース(2024年3月28日))。

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著者情報

若山 卓也
わかやま たくや
金融ライター/証券外務員1種
証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。
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