「手続きが面倒」で相続した実家がトラブルを招く…
この場合、相続の開始があったことを知った日(この事例の場合には、父が死亡した日)から3カ月以内に、「単純承認」「限定承認」「相続放棄」のいずれかを選択する必要があります。
【相続の種類】
①単純承認:プラス、マイナスに関係なく、残された財産をすべて相続する。
→手続きを行わなければ、自動的に単純承認とみなされる。
②限定承認:プラスの範囲内で、マイナスの財産も相続する。
→相続人全員が共同で家庭裁判所に申述する必要がある
③相続放棄:残された財産を一切相続しない。
→各相続人が単独で家庭裁判所に申述できる
理恵さんは夫と共同でローンを組んだ戸建てを保有し、家族4人で生活していました。
そのため、実家を相続しても、今すぐ住むつもりはありません。
ただ、幼い頃から慣れ親しんだ実家には愛着がありました。また、実家の相続を放棄する場合は「限定承認」の手続きが必要ですが、それに必要な申述書を家庭裁判所に提出しなければならないなど、手続きが煩わしく感じました。
「ひとまず実家を相続して、片付けが済んだらリフォームして、誰かに賃貸すればいいか……。都内で駅からも近いし、誰かしら借りてくれるでしょ」
実家の相続を決めるにあたり、理恵さんはそんなイメージをもっていました。
かつて友人の一人が「空いている実家を賃貸して収入を得ている」と話していたことを、理恵さんは覚えていたのです。そのため、理恵さんは「単純承認」、つまり全ての財産を相続することに決めました。
ただ、そんな理恵さんの想定が崩壊するような事実が判明し、思わぬトラブルに見舞われることになったのです。