第2次トランプ政権がスタートし、米国の市場動向も不透明感を増してきた。とはいえ、足元の国内投信市場ではいまだインデックスファンドが人気を博し、投資家の目はまだまだ外国株式や全世界株式に向いていると言えるだろう。一方、市場の影響を受けにくいとされる「金」は現在も右肩上がりの価格上昇を続ける中、その「金」に着目した新しいファンドが2024年12月26日に誕生した。それが、SOMPOアセットマネジメントの「ゴールド・インカムプラス」だ。
「金」投資にインカムが付いたシンプルかつ分かりやすいファンド

瀬島 慎治氏
「本ファンドは、簡単に言うと金にインカムが付いた商品です。金はインフレ耐性があり、これまでも長らく好調を続けていますが、インカムが付かずキャピタルゲインに頼らざるを得ません。本ファンドはその側面をフォローするために、米国国債の7~10年債のラダー(残存期間の異なる債券)に投資をすることで、足元では4.5%程度のインカム収入を獲得できています」と話すのは、SOMPOアセットマネジメント リテール営業部 マネージャーの瀬島慎治氏。金と債券という、これまでにもありそうでなかったファンドだが、株式インデックス投資隆盛の今、毛色の違った商品と言えるだろう。同ファンドは、レバレッジを利用し、実質的に米国国債と金にそれぞれ100%ずつ、合計で純資産総額のおよそ200%の投資を行い、金への投資に米国国債のインカムをプラスすることで、分散効果とリターンの底上げを狙う(図1)。
「米国国債や債券と聞くと、なんとなく『顧客への説明が難しい』と思われるかもしれませんが、基本的な構造は非常にシンプルです。基準価額への変動要因は主に3つ。米ドル/円の為替変動と、金価格の変動、そして米国金利の変動(米国国債の価格変動)です(図2)。もちろんこれだけに限定されるわけではありませんが、同ファンドは『説明資料すらいらないくらい分かりやすい』ことを目指して作った面もありますので、基本的にはこの3点を留意いただければ大丈夫です」と、瀬島氏は胸を張る。
実際の運用を行うバークレイズ・バンク・ピーエルシーは、英国で330年の歴史を誇る老舗金融機関。名前を変えることなく脈々と営業を続けてきた同社だが、「もともと持ち合わせてきた欧州文化をベースにしつつ、リーマン・ブラザーズの北米投資銀行および資本市場業務の買収後は、米系エッセンスも取り入れた多様性と長年培ってきた各分野における専門性が強み」とバークレイズ証券 ヴァイスプレジデントの武藤紗季氏は語る。

武藤 紗季氏
老舗運用会社の協力を得て運用を行う同ファンドの一番の特徴はやはり「金」への投資だ。「実物資産」としての価値と希少性から右肩上がりの価格上昇を続ける金は、魅力的な投資対象ではあるものの、インカムを生み出さないことがネックとなり、「いつ買っていつ売るか」が分かりにくい商品でもある。米国国債を併せ持つことによりインカムを生み出す機能を持った同ファンドは、投資家にとって金への投資のしづらさを解消する商品設計になっている。
また、もう一つの特徴として他ファンドとの併せ持ち効果があげられる。冒頭でも述べたように、昨今、特に新NISA開始後は多くの投資家のポートフォリオが「S&P500」や「全世界株式」などのアセットに偏っていることは周知の事実だ。マーケットの状況次第では、顧客資産はもちろん、販売会社の投信残高の大幅な減少など、影響が出る可能性もある。
同ファンドは、米国株式(S&P500)との相関が0.06、国内株式(日経平均株価)との相関が0.04と、ほぼ無相関となっている。そのため、株式ファンドとの高い分散効果が見込めるため、ポートフォリオの改善が期待できるのだ。「シミュレーション上では、年率9.5%程度のプラスリターンとなりました。国内外株式のインデックスファンドと併せ持つことで、顧客のポートフォリオのリスク(標準偏差)水準は30%程度改善するという結果が出ています。リターンの水準は、併せ持ちをしない場合と同等の効果が期待できます(図3)」(武藤氏)。
株式偏重のポートフォリオを改善する可能性
昨年末に設定されてから現在まで、純資産総額の伸びは堅調だ。インフレ耐性のある金に投資妙味があることに加え、2022年のロシアによるウクライナ侵攻以降、物価が上昇し、インフレ抑制のために利上げが実施され債券価格が下落傾向にあることが、投資のタイミングとしては面白い時期だと捉えられているのかもしれない。
実際に販売を担う西日本シティTT証券では、「ゴールド・インカムプラス」をどのような位置付けとしているのか。同社商品統括部 部長の井上直美氏は「1年以上前から金には注目していた」と話す。しかし、キャピタルゲインのみの金を顧客に提案するのはハードルが高いのも事実。その一方で、他のアセットクラスとの相関性の低さや有事の際の資産価値の高さ、インフレヘッジなどの面から、いずれは持ちたいアセットクラスだと考えていたという。金にインカムが付けばずっと持っていられるのに……という井上氏の希望を同ファンドが実現したのだ。

井上 直美氏
「ここ数年のFD重視の流れから、証券会社の営業スタイルにも変革が求められています。これまでのプッシュ型営業ではなくコンサルティング営業に移行する中で、よりポートフォリオ提案の重要性が増してきました。株式偏重のポートフォリオをお持ちのお客さまには、リスク軽減のアセットクラスとして金は非常に魅力的な資産です。さらに、『ゴールド・インカムプラス』は米国国債からのインカムが入ってくる。長く持ち続けられるファンドだと考えています」(井上氏)。
西日本シティTT証券では、営業職員に分散投資の一環として同ファンドを提案するよう周知しているという。「インデックスファンドを持つことがいけないわけでは、もちろんありません。ただ、それ一本では何かあったときに対応できない可能性が高く、リスク分散・ポートフォリオ改善のためにこのファンドを提案するようにと、社内では徹底しています」と井上氏は声を強める。
このファンドは、新NISA対象外の商品だ。だが今後、日本が真の資産運用立国になっていくためには、資産形成において幅広い選択肢に興味を持ち、「この商品は面白い」と思ってもらう提案をすることが重要だと井上氏は話す。そういった意味でも、「ゴールド・インカムプラス」はシンプルかつ面白味のあるファンドだと判断し、同社では採用に踏み切った。販売開始からまだ日の浅いファンドだが、販売現場の反応は99%ポジティブだと自信をのぞかせた。
事前勉強会は不要⁉ 新規資金獲得のきっかけにも
とはいえ、株式に投資する投信の販売が多い現状で、販売にあたっての混乱はなかったのか。「確かに、債券に関しては長らく販売から離れていらっしゃる販売員の方も多いです。ですが、高金利環境下の今は債券投資へのニーズは強く、他の販売会社において昨年の4月以降で、勉強会を100回以上は実施しました」(瀬島氏)。ファンドの説明以前から債券の勉強会を数多く実施してきた実績から、研修用資料は豊富で充実しているのだという。今後はそれらの資料に加え、債券の今後の動向を説明できるツールを用意し、各支店に向けて勉強会を実施、情報のアップデートを行っていく予定だ。ただ、同ファンドに限って言えば、販売開始前に行った勉強会でほとんど質問があがらなかった。「販売用資料を読めば分かります」という営業職員の声が、いかにこのファンドがシンプルで分かりやすい商品であるかを物語っていると言えるだろう。

最後に武藤氏は、「近年、株式のマーケットが好調で、いわゆるテールイベントを経験されていない投資家の方が多いと思います。10年に一度は発生すると言われるそういったイベント発生時に、株に偏ったポートフォリオではダメージを受ける可能性もあります。投資を継続していただくために、本ファンドを役立てていただければ」と思いを語ってくれた。瀬島氏は、「このファンドは、既に株式ファンドをお持ちのお客さまに、ポートフォリオ改善とともに新規資金の導入のご提案をするためのドアノックツールになると考えています。NISA口座対象外の法人顧客や、富裕層のお客さまを含め、幅広い顧客層にリーチできる商品なので、ぜひご活用いただきたいですね」と笑顔を見せた。
SOMPOアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第351号
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