人生100年時代、お金の不安から解放され豊かな老後を目指すためには、企業型確定拠出年金(以下、DC)制度などを活用した長期の資産運用が必要です。ここで大切なのは、どのような金融商品を選ぶべきかです。キャピタル・インターナショナル株式会社の勝田淳氏と雨宮弘明氏に、そのヒントを伺いました。
確定拠出年金にふさわしい投資信託とは
DCは長期の資産形成を行う仕組みであり、「長期継続投資に適した投資信託(ファンド)を見分ける3つのポイントがあります。それは『運用会社』『運用実績』『再現性』です。運用会社は、長期に信頼できる会社かどうか。運用実績は、長期で信託報酬控除後の運用実績がベンチマークに勝っているか、さまざまな市場環境に対応してきたかどうか。再現性は、良好な実績が今後も期待できるかどうかです」と勝田氏は紹介します。
信頼できる運用会社にはどのような特徴があるのでしょうか。勝田氏はその問いに対して、顧客本位の経営理念が長期にわたって維持されている「企業文化」があること、長期運用に適した組織形態、人事評価になっている「組織体制」であること、資産運用事業に集中的なリソースを配分している「コミットメント」を挙げます。
(図1)長期に信頼できる会社の特徴(キャピタル・グループの例)
DCにおける資産運用は長期投資になるために、商品の取得や保有に必要なコストのチェックが大切です。勝田氏は運用実績の観点で次のように語ります。
「インデックス・ファンドは一般に、信託報酬が低く抑えられており、DCの加入者の皆様も信託報酬の水準が気になるところかと思います。ただしファンド選びで大切なのは、単純な信託報酬の比較ではなく、信託報酬を控除した後のファンドのリターンがどれだけあるかという点です」。
勝田氏はさらに、「長期投資ではさまざまな市場環境に対応できるかどうかが非常に大切です」と話します。市場は上昇局面もあれば下降局面もあります。バリュー相場(割安株が大きく上昇する相場)もあればグロース相場(成長株が選好される相場)もあります。インフレ局面になることもあります。
「DCの加入者自身でそれらの環境変化を先読みし、銘柄を入れ替えるといったことはなかなか容易ではありません。ファンドそのものがトレンドの変化に対応して、柔軟にポートフォリオの構成を見直すような運用こそ、DCにおいては親和性が高く、価値のあるものだと考えられます」(勝田氏)。
(図2)様々な市場環境に対応した運用実績
そのためにも大事になるのが、良好な実績が今後も期待できるという再現性です。
「投資銘柄をプロが選び指数を上回る運用成績を目指すアクティブ・ファンドの場合、カリスマ・ファンド・マネジャーが在籍中は高いリターンをあげたのに、その人が引退してしまうとファンドそのものが成り立たなくなってしまうという例がよくあります。キーマンに頼るリスクを減らし、将来にわたり運用を継続できる仕組みがあることが大切です」と勝田氏は強調します。
豊富な経験と実績、高い信頼性を誇るキャピタル・グループ
勝田氏、雨宮氏が所属するキャピタル・グループは、90年以上の資産運用の歴史があり、2023年12月末現在の運用資産残高は約354兆円にも達しています。世界で450名以上の経験豊富な運用担当者が株式や債券の運用に携わっています。特筆すべきは、創業以来一貫してアクティブ運用しか行っていないことです。アクティブ運用に特化することで、最終投資家に優れた運用成果を届けることにフォーカスした運用と会社経営が可能になるわけです。
「キャピタル・グループは独立系のため、銀行や証券会社などが親会社でありかつ販社となるケースのように、親会社の商品戦略によってファンドが組成されるようなことはありません。また株式非公開のため、四半期業績に対する株主の圧力がなく、長期的視点で最終投資家の利益を優先した運営がなされます」と勝田氏はつけ加えます。まさに長期の信頼性を備えた、長期継続投資に適したファンドの運営会社と言えるでしょう。
実際に、キャピタル・グループにおける米国籍ファンドの運用資産残高の内訳を見ると、個人退職勘定(IRA)、確定拠出年金制度(401kなど)、教育資金支援制度(529プランなど)といった長期の資産形成を目的とした非課税制度からの資産が約3分の2を占めています。
キャピタル・グループが提供する2つのDCファンド
長期に信頼できる運用会社、キャピタル・グループが提供する2つのDCファンドを紹介します。
1つは、「キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)」です。同ファンドは、キャピタル・グループのニューパースペクティブ運用と同様の運用を行っています。主に全世界の株式に投資する運用戦略です。
「1973年に米国で運用開始以来、50年以上にわたり世界の成長を享受することを追求し、長期的に良好な運用実績を残してきました。ニューパースペクティブ運用と全世界株式インデックスについて、1973年3月末に100万円を投資した場合の試算では、50年後には全世界株式が3,907万円(約39倍:年率リターン7.5%)だったのに対して、ニューパースペクティブ運用は信託報酬控除後でも1億6,484万円(約165倍:年率リターン10.5%)と大きく上回っています」と雨宮氏は紹介します。
(図3)ニューパースペクティブ運用の例
運用開始以来、さまざまな市場環境でプラスの超過収益を獲得しているのも大きな特色です。なぜそれが実現したのか。雨宮氏は「バリュー、コア、グロースなどにスタイル特性を固定せず、時間の経過とともにダイナミックに変化させています」と答えます。
具体的には、1970年代には石油や金属などの資源産業、1980年代にはエレクトロニクス、コンピュータ、2010年代にはEコマースやインターネット、2020年代にはヘルスケアといったように、約半世紀にわたり、世界的なトレードパターンの変化を主導し、その恩恵を受ける企業を特定し、投資を行ってきたのです。
世界の有望企業に早くから注目しているのも同ファンドならではです。1997年にマイクロソフト、2004年にアルファベット(グーグルの親会社)、2014年にネットフリックス、2015年にメタ・プラットフォームズなどの保有を開始しており、その後、時価総額は大きく伸びました。
長期継続投資に適したファンドを見分ける3つのポイントの1つは「再現性」でした。「『キャピタル世界株式ファンド(DC年金つみたて専用)』においても、単一の担当者に依存することがないよう、ポートフォリオ・マネジャーのスムーズな移行による運用の継続性を担保しています」と雨宮氏は説明します。
キャピタル・グループのもう1つのDCファンド、「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」においても、これらの姿勢が貫かれています。同ファンドの信託報酬控除後のリターンはTOPIX(東証株価指数)の1.4倍となっています。
(図4)キャピタル日本株式運用(信託報酬控除後)とTOPIX
雨宮氏は「東証プライム市場での外国人投資家比率は6割以上を占めています。外国人投資家の動向は大きな影響力があることから『グローバルな視点』の重要性が高まっています」と指摘します。そのために、日本国内のみならず、海外の運用担当者との共同調査や定例会議で多面的な議論を行っています。
もちろん、単一の担当者に依存することのない「再現性」のある運用は、同ファンドでも徹底されています。両ファンドともに、長期継続投資であるDCに適したファンドと言えそうです。有力な選択肢として検討してみてはいかがでしょうか。
本記事に記載のある各ファンドに関するリスクや費用、お申込みに関する留意点などは下のそれぞれのリンク(各ファンドの投資信託説明書(交付目論見書))よりご確認ください。
キャピタル・インターナショナル株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第317号
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