50歳は多くの人が定年やその先の老後生活について思いを巡らせる「節目の年齢」。同時に「老後のお金は大丈夫だろうか……?」と老後資金についての不安が芽生えるケースがほとんどのようです。
そうはいっても、何から始めればいいか分からない、「お金を増やすには投資」と聞いても経験ゼロなので不安……そんな声に「50歳、投資経験ゼロ、資金ゼロの方も心配はいりません」と寄り添うのは、お金のパーソナルコーチとして絶大な信頼を得る濵島成士郎氏。
著書『老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方』では、用意すべき老後資金の把握のしかたから、投資の実践までわかりやすく優しく指南しています。今回は特別に、同書の第1章『結局、「これからの人生、必要なお金」はいくらか?』の一部を公開します(全3回)。
●第1回:「老後資金は2000万円必要」のイメージは間違いと言える“これだけの理由”
※本稿は濵島成士郎著『老後の不安がなくなる50歳からのお金の増やし方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
老後の生活費は「現在の7割」が目安
「将来、自分はどういう暮らしがしたいのか」を明確にしたら、次は、「現時点でわかっている老後(リタイア後)のお金(収支)」を把握しましょう。
「リタイアした時点で、資産はどのくらいあるか?」
「リタイア後に、生活費はいくらくらいかかるのか?」
おおまかにでも、これらの金額を把握しておくことが重要なのです。
「老後のお金は足りるのか、もし足りないのであれば、いくらくらい足りないのか」がわからなければ、具体的な資産形成のプランを立てることはできません。
とは言え、ライフステージが変われば将来の収支も変わりますので、ざっくりで結構です。
ノートやスマホのメモ帳アプリなど、なんでも構いませんので、現時点でわかっている老後のお金について書き込んで、客観的な目で把握してみましょう。
まずは、現時点での預貯金や株式等の金融資産をお持ちの人はその金額、そして将来、受け取れる貯蓄型保険の満期保険金や個人年金保険を確認しましょう。
預貯金については、リタイア時に増えているかもしれませんし、思わぬ出費があって減っているかもしれません。株式等についても増減がありますので、正確には予測できません。ですから、現時点での金額をメモしておけば十分です。
また、お勤めの会社に退職金制度や企業年金制度はあるのか、あるとしたら退職金や企業年金はいくらぐらい期待できるのかも確認しましょう。就業規則や給与規定を確認するか、会社の人事総務担当に聞けばおおよそは把握できると思います。