令和はまさしく「個の時代」といえます。

SNSの発信力により、発信した情報自体が仕事獲得につながるのはもちろん、YouTuber、インスタグラマーといった、大きな影響力がそのまま職業になるケースも出てきています。とはいえ、ここでお伝えしたいのはSNSの投稿テクニックではありません。

大事なのは「自分の価値」をいかに上げるかです。それには、自己ブランディングやマーケティングが重要になってきます。FPに限った話ではありませんが、世の中には、この自己ブランディングとマーケティングを疎かにしている人が多いように見えます。

新型コロナウイルスにより、人と人との接触が制限されたことで、これまで以上にWeb上でのマーケティングが重要性を増す中、「いい仕事をしていれば、自然とお客さんがつく」時代はいよいよ終わりを迎えようとしています。

FPであれば、ファイナンシャルプランニングの知識を身につけたり、相談・講演・執筆スキルなどを磨いたりすることはもちろん大切です。しかし、自己ブランディングとマーケティングをないがしろにしていては、仕事が得られなかったり、単価がいつまでも低かったり、売り上げがなかなか上がらないでしょう。

今回は、この「自己ブランディング」と「マーケティング」について考えていきたいと思います。

あなたが「何屋さん」なのかをはっきりさせる

自己ブランディングとは、「自分が何者で、何について発信しているか」を誰もがわかるようにすることです。マーケティングは、そのブランディングに基づいて有益な情報を発信し続け、マーケット(顧客)を動かすことです。

よく、名刺やSNSのプロフィールにたくさんの資格を列挙している人がいますが、資格を持っている人は世の中にたくさんいるわけです。自己ブランディングの観点から見ると、「それで、あなたは何ができるの?」が相手に伝わらなければ意味がありません。

自分の実績や強みを公表するときに、とても重要な要素があります。それは、ひと言で「何屋さん」なのかを説明するパワーワード(肩書き)です。Twitterでは、名前の横にパワーワードを入れている人が多いですよね。ポイントは、何でも屋さんになるのではなく、ひとつとがったものを作り、「これをしています、これができます」と言い切ることです。

FPだと、家計分析もできる、保険の見直しもできる、資産運用もできる、iDeCoやつみたてNISAにも詳しい、年金や税金も……といった具合に、何でもできるように見せている人がたくさんいます。もちろん、全部できるに越したことはないのですが、第三者からすれば、他の人と比べたときに違いがわかりませんよね。やはり、どこかに特化した方が注目を集めることができるわけです。

例えば私であれば、保険会社で6年間、資産運用部門の業務に携わった経験も活かし、以下のような情報発信を行っています。

・資産運用のプロである、機関投資家の考え方の情報発信 ・iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)にいち早く着目し、書籍出版・講演などを通じ情報発信 ・仮想通貨(暗号資産)にいち早く着目し、「お金の専門家」として書籍出版などを通じ情報発信 ・スマホ(キャッシュレス)決済にいち早く着目し、記事執筆や監修を多数手がける

扱う分野は複数にわたりますが、新しい分野にFPの「第一人者」が確立される前から着目することで、iDeCo、NISA、投資信託、仮想通貨(暗号資産)、キャッシュレスといったキーワードで“強い”専門家として位置付けられています。「この分野といえばあの人」と思われるくらい得意分野をとがらせ、積極的に情報発信をしていくことで、他のFP達との違いをはっきり見せられていると思います。

情報発信の際、最も手軽に利用できるのがTwitterなどのSNSですが、SNSを活用するときに必ず整えておきたいのが「プロフィール画面」です。SNSの投稿文や記事では、内容はもちろん大切ですが、それと同時に「誰が発言しているのか」も大切です。プロフィール画面を見た人が、あなたがどんな人間であるかがすぐに理解できるように、自己紹介文、アイコンとなるプロフィール画像、文体……全てにこだわりぬくことで、ファンやフォロワーを増やしたり、取材や新規の仕事を得られたりすることにつながります。