NTTデータグループ(旧:NTTデータ)の業績が拡大しています。親会社から引き継いだ海外事業の連結で売上高は3兆円を大きく上回りました。翌期も増収を見込んでおり、売上高は4兆円を上回る計画です。しかし利益は伸び悩む予想で、株価も停滞が見られます。
【NTTデータグループの業績】
売上高 | 純利益 | |
2022年3月期 | 2兆5519億円 | 1430億円 |
2023年3月期 | 3兆4902億円 | 1500億円 |
2024年3月期(予想) | 4兆1000億円 | 1440億円 |
※2024年3月期(予想)は同第2四半期時点における同社の予想
NTTデータグループは大企業ながら高い成長力を持つ企業です。投資家の評価も高く、市場評価性(PBR基準)から「JPXプライム150指数」のメンバーにも選ばれました。
NTTデータグループは順調に成長してきた企業です。現在は「第4の創業期」と位置付けた変革期にあります。NTTデータグループはどのような企業なのか、概要と足元で進む変革を紹介します。
官民の全方位に強いシステム大手 国内では首位目前
NTTデータグループは日本電信電話(以下NTT)の子会社です。1988年にNTTから分離し誕生しました。NTTはNTTデータグループ株式の57.7%を保有しています(2023年9月)。
NTTデータグループの主な事業はシステムインテグレーション(SI)です。システムインテグレーションとは顧客からシステムの開発を請け負い、その後の運用・保守まで手掛けるビジネスを指します。
主要顧客は公官庁や金融機関です。また2000年以降は顧客企業のシステム子会社を買収する戦略を採ったことから、製造業や流通業といった法人向けでも大きな顧客基盤を持ちます。
さらに顧客のグローバル化を支援する形で海外事業も強化してきました。2008年には独BMWの情報システム子会社を買収し、2016年には米デルからシステム子会社とITサービス事業を取得しています。
拡大を進めてきたNTTデータグループは売上高が大きく増加しています。設立以来の連続増収記録は2022年度で34に到達しました。
2023年度も増収を見込んでおり、売上高は4兆円に達する見込みです。ライバルの富士通の予想売上高が3兆8100億円であり、NTTデータグループは国内最大のシステム会社になるとみられています(出所:NTTデータグループ 決算短信、富士通 決算短信)。
【NTTデータグループの売上高(1988年度~2023年度)】