将来のためにお金を増やしたい……でも、資産形成って何をすればいいの? 情報過多の現代、悩んでいる人も多いですよね。

そんな現代を生きる私たちにヒントを与えてくれるのが、話題の書籍『資産形成の超正解100』。FPやキャリアコンサルタントとして活躍中の鈴木さや子氏が、資産形成の考え方やコツを100個紹介しています。

本記事では、その一部を特別に公開。投資や保険、儲かりそうな話に潜む落とし穴を徹底解説します。(全3回)

●第1回:外貨建て保険・変額保険・FX…お金のプロが「手を出してはいけない」という理由

※本稿は鈴木さや子著『資産形成の超正解100』(朝日新聞出版)の一部を再編集したものです。

人やネットからの情報を疑う

投資案件に数十万円投じようとした知人がいます。英語の契約書は読めないが信頼できる仲間に確認してもらったから大丈夫の一点張り。最初に大金を投じさせて、「必ず儲かる」といわれる案件はNG案件確定です。

私も人の誘いを疑わずに怖い思いをしたことがあります。常に金欠状態だった大学生のとき、友人が誘う高額報酬のアルバイトに内容も確認せずについていったら、某宗教法人で怪しい作業をする羽目に。お金がないときほど安易な行動に出ます。気をつけましょう。

心優しく信用しやすい人ほど損をする

投資詐欺とまではいかなくても、知り合いや友人に誘われた投資案件で大きな損をする人がいます。

○○さんだから大丈夫、 とか、△△銀行だから信用できる、なんてことはありません。

相手は悪気なく「いいものを教えたい」と思って誘ってくる案件でも、あなたにとっては大切な資産を失うことになるかもしれません。心優しくて相手を信じやすい人ほど、損するのです。

国民生活センターに寄せられた相談事例をいくつか紹介します。

<投資に関する相談事例>

・無料メッセージアプリの投資グループに誘われ、参加することにした。担当者に出資金150万円を振り込み、海外FX□座で取引したが出金申請できない

・SNSで知り合った女性からすすめられたFX取引で儲けが出たが、お金を引き出すために高額な手数料を請求され、支払ったのに出金できない

・マッチングアプリで知り合った女性にすすめられて海外FX事業者の口座開設をし、その女性にいわれた個人名義の口座に高額を振り込んだが、お金が引き出せなくなった

・元金が1年で10倍になると友人に誘われて海外の事業者に投資したが、予定日を過ぎても返金されない。事業者の連絡先もわからない

・将来値上がりする暗号資産で代物返済されるという私募債を知人にすすめられ購入した。その後、代物弁済の完了通知がきたが、実態がない暗号資産のようだ

出典:独立行政法人国民生活センターホームページ「相談事例(2022年8月26日更新分)」より作成

自分の資産は自分の頭で考えて育てよう

この本を読んでいるということは「お金を増やしたい」と思っていることでしょう。そう思っているときこそ、損につながるような案件に巻き込まれやすいともいえます。

特にお金の情報については、常に疑うことが大切。FPがいっているから大丈夫ということもありません。

自分で稼いで得た大切な資産です。 どう増やすか、どう守るか。いろいろな人やネット、本などから情報収集をしたら、最終的には、自分の頭でしっかり理解できたものに投資し、自己責任で育てていきましょうね。