ハードルが低いはずの50代 迷うのはなぜ?
確定拠出年金(DC)制度は、税の優遇を考えると「こんなにお得な制度はない」といえます。
ただ、「老後」のためのものなので、引き出せるのは原則60歳以降に限定されています。「老後」まで時間のある世代にとっては、60歳まで引き出せないことは、高いハードルになっています。しかし「老後」が近づいてきた50代にとっては、「60歳まで引き出せない」ことは、それほど高いハードルとはならないはずです。
さらに、今年5月の制度改正でiDeCo(個人型確定拠出年金)は、65歳まで掛金を拠出できるようになりました。より長い期間、活用できるのであれば50代からの利用にも弾みがつきそうです。
しかし筆者の勤務先である野村證券コールセンターでは、むしろ60歳以降の問い合わせが増えているようです。制度改正は、iDeCoや企業型DCをすでに活用していた60代には魅力的でも、DCに縁遠い50代には響きづらいようです。
50歳を超えてからiDeCoを活用するかどうか、迷っている場合の判断ポイントは若年層とは異なります。ポイントは①いつから使う? ②いくらになる? ③どんな運用にする?の3点です。