2021年6月、三井住友信託銀行で多くの資金を集めたのは以下のファンドだった。

第1位「SMT 日経225インデックス・オープン」の概要

三井住友信託銀行の6月販売額1位は、「SMT日経225インデックス・オープン」だった。同ファンドは国内の株式に投資し、日経平均株価(日経225)に連動する投資成果を目指すインデックスファンドである。5月に引き続き1位になっているので、日経平均株価に連動する同ファンドに注目する顧客が多いと考えられる。6月末時点における騰落率は、以下の通り。

1カ月 -0.23% 3カ月 -1.31% 6カ月 5.41% 1年 30.54%

6月の日経平均株価は、新型コロナウイルス変異種への警戒により、上値の重い展開になった。ただ、日経平均株価に連動するインデックスファンドは、株価急落時に買われる傾向がある。たとえば、6月21日に日経平均株価が前営業日比953円と急落した時、同じ日経平均株価に連動する「日経225ノーロードオープン」には約55億円の資金流入があった。これは、投資信託全体でも8位である。「SMT 日経225インデックス・オープン」も同じように資金流入があったと考えられる。7月以降も株価が下落する場面では、同ファンドのように日経平均株価に連動するインデックスファンドに買いが入る可能性は高いだろう。

全体を見て:6月のランキング上位にはアクティブファンドが多い

三井住友信託銀行のランキング上位には、アクティブファンドが多い。2位の「クリーンテック株式ファンド(資産成長型)」は、日本を含む世界のクリーンテック関連企業の株式に投資するアクティブファンドである。クリーンテック関連企業とは、水資源の保全や再利用、廃棄物削減、代替エネルギーへの移行などを促す活動を事業の中心にしている企業。同ファンドの5月末時点の組入銘柄上位は、以下の通り。

1.アメレスコ(アメリカ)3.4% 2.ネクステラ・エナジー(アメリカ)3.2% 3.TSMC(台湾)3.2% 4.ダーリン・イングレディエンツ(アメリカ)3.1% 5.TEコネクティビティ(スイス)3.1%

そして、5月末時点の騰落率は以下の通りである。

1カ月 -0.6% 3カ月 4.4% 6カ月 14.6% 設定来(2020年7月)36.7%

ESG(環境・社会・企業統治)投資への関心の高まりにより、同ファンドの人気も高まっている。5月末時点の純資産残高は166億円だが、今後どれだけ資産を増やしていくのかに注目している。