売買タイミングに縛られない、つみたてNISAの魅力
今までFXでしか運用経験がない瀬古さんに、投資信託で積立をするメリットから解説したいと思います。
そもそも、FXは1回の取引で差益を狙うものなので売買タイミングが非常に大切です。最初に取引をすると追加で取引をしない限り、取得価格は変わらない上、レバレッジをきかせて、実際の金額より大きなお金で取引ができますから、小さな差益でも大きな金額のリターンを得られます。
一方、つみたてNISAでの投信積立は、売買タイミングは関係ありません。毎月決まった金額の投資信託を自動で買い付けるだけです。積立額は毎月同じですが、投資信託の価格は変わりますから、積立するごとに取得価格が変わるのです。つまり、投資信託の価格が下がると、その投資信託を買い付けることによって取得価格も下がりますし、価格が上がると取得価格も上がります。したがって、積立投資の場合、取得価格と投資信託の価格の差はFXと比べると、良くも悪くも大きく開かない傾向にあります。
FXをしている瀬古さんにとって、この点は積立投資の魅力が薄れて見えるかもしれません。
しかし、見方を変えると、価格が下がったとき、FXでは損切りしますが、つみたてNISAでは、購入する量を増やします。安くなった分たくさん買い付けできるので、取得価格を下げる効果が大きく、その後、投資信託の価格が上昇すれば、利益を出せるということは、想像に難くありません。さらに、積立期間が長くなれば積立額も大きくなりますから、利益が出た場合の利益額も増えることになります。瀬古さんの場合、積立期間は17年も確保できます。
「子どもが生まれてから、チャートを見るのを忘れてしまう時がある。だから取引チャンスを逃しがち」と瀬古さんはおっしゃっていますが、積立投資で利益が出る仕組みが叶う、投信積立(つみたてNISA)にも、FXとは違った魅力があることを理解いただければと思います。
FXとつみたてNISAでコアサテライト戦略を実践!
しかし、だからといって完全にFXをやめる必要はありません。FXのお金は余裕資金の範囲内ですし、何より、瀬古さんの趣味でもありますから、今の取引ルールを守りながら続けると良いでしょう。
それに FXとつみたてNISAで資産運用することは、コアサテライト戦略ともいえます。コアサテライト戦略とは、運用資産をコア(核)とサテライト(衛星)の2つに分け、コアでは安定性の高い守りの姿勢で運用を行い、サテライトではリスクをとって積極的にリターンを狙っていく手法です。
どのような金融商品をコアにし、サテライトにするかは人によるところもありますが、FXはサテライトに該当します。なお、コアサテライトの割合はコアが7〜8割、サテライトは2〜3割が一般的です。つまり、瀬古さんは今まで運用割合が2〜3割で良いサテライト運用をメインにし、7〜8割のコア運用をしてこなかったことになります。今後は、コア部分としてつみたてNISAをぜひ行っていきたいですね。