相談者のプロフィールとお金データ

【瀬古雄二さん(仮名)プロフィール】 35歳、会社員。妻と1歳の子供と暮らす、東京都在住。 30歳の時、「お金を増やしたい」とFXを始めたものの、40万円失い一度はやめた。しかし32歳のときに、もう一度トライしようとFXのスクールに通い始め、同じ失敗をしないようリスクを限定した手堅い運用を行っている(必ず損切り注文を入れ、損失を限定させる方法をとっている)。
【寄せられたお悩み】 「子どもが生まれて、定期的にFXのチャートを見られなくなり、取引のタイミングを逃すことが多くなっています。 現状、FXで利益は出ていますが、変動が大きく、これでは計画的な資産形成はできないと感じていて、今後の資産形成(教育費、とくに大学への進学費用)をFXで行うのは、いかがなものか?と疑問がわいてきました。 そこで、自分なりに調べてつみたてNISAをスタートしようと思っているのですが、方向性は間違っていないでしょうか?」
【お悩みの論点】 ①FXで利益を出せているものの、利益があるときと無いときの波が大きい。計画的に資産形成できないのでは? ②FX以外の資産形成をしたことがないが、つみたてNISAが気になる

資産状況

世帯の金融資産額: 535万円
内訳 預貯金: 500万円 FX: 35万円

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FXで資産運用をされている瀬古さん。FXと聞くと、一般的にハイリスクで半分ギャンブルのようなイメージがあるかもしれませんが、瀬古さんは過去に失敗経験があり、そこから学んで、今はスクールに通ってリスクを限定した手堅い運用を心掛けているのですね。

ただ、お子さんが生まれたのをきっかけに資産運用の方法について、今のままでいいのか考え始めたとのこと。確かに資産形成には、その目的と目的に合った適切な手段があり、手段を誤ると目的を達成できない可能性があります。瀬古さんには瀬古さんの家庭事情に合った資産形成方法を実践しなければいけません。今回は、その方法と活用の仕方について一緒に考えてみましょう。

FXで大学進学費用を準備!? それ、やめましょう

瀬古さんはFXの取引において、必ず損切り注文を入れ損失を限定させています。大怪我はしないものの、取引は相場状況に大きく左右されるため、利益を得られたとしても安定しているわけではないでしょう。

今回、瀬古さんはお子さんのための教育費、とくに大学進学に向けてお金を貯めたいとのことでした。瀬古さんは、FXでうまくいけば、教育費にあてたいと考えていたかもしれませんが、一定の時期までに一定のお金を作る必要がある場合、やはり計画的で安定した資産形成方法でないといけません。大学入学の時期に目標額の半分しかお金がない……なんてことになると大変ですから、資金作りが安定しないFXは教育費作りには不向きと言えるでしょう。

一方で、FX以外の教育費を作る手段も調べて、つみたてNISAの存在を知り、「つみたてNISAなら」と考えていらっしゃるのですね。