資金流入額トップ(6カ月累計)は「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」

6カ月資金流入額上位には、米国株式ファンドを中心とした外国株式ファンドが多い。そして、第1位は「デジタル・トランスフォーメーション株式ファンド」だった。

同ファンドは、世界の上場株式の中から、「ゼロ・コンタクト・ビジネス(非接触型ビジネス)」関連の企業に投資を行う。そして、個別企業の選定においてはアーク社の調査力を活用するアクティブファンドだ。同ファンドは米国のハイテク企業の組入銘柄が多いことから、2月17日につけた最高値(16,314円)から3月上旬にかけて21.7%と大きな下落となった。

米国で大規模な経済対策や新型コロナウイルスのワクチン接種が進んだことにより景気回復期待が高まり、米長期金利が上昇。金利上昇によって高PER銘柄であるハイテク株から、景気回復の恩恵を受けやすいバリュー株へと資金がシフトしたからだ。しかし、下落局面では買いのチャンスと見た投資家の買いが多かったと見られ、4月は322億円の資金流入となり、6カ月累計でトップとなったのだ。

資金流出額1位(6カ月累計)は「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」

6カ月資金流出額1位は「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」で、5カ月連続で1位となった。同ファンドには「1年決算型」と「隔月分配型」の2コースがあり、後者も6カ月累計の資金流出額2位となっている。コロナショック直前の2020年2月には、2つのコース合計の純資産総額は6,763億円に達していた。しかし、2020年5月から資金流出が続き、2021年4月26日時点で約3,637億円とピーク時の半分になってしまったのだ。ただ、「1年決算型」の4月末時点の騰落率は以下の通りとなっている。

1カ月 2.71% 3カ月 5.23% 6カ月 21.62% 1年  34.39%

コロナショック時には基準価額が大きく下落したものの、その後はコロナショック前の高値を更新するほど上昇しているのだ。しかし、コロナショック時に株式ファンド並に基準価額が下落したので、売りが止まらない。同じバランスファンドでも、コロナショック時に大きな下落を回避できた「投資のソムリエ」には資金流入が続いている。ただ、4月末時点における「投資のソムリエ」の1年間のリターンは2.71%である。コロナショック時のイメージを引きずり、リターンが「投資のソムリエ」大きく上回る「グローバル3倍3分法ファンド(1年決算型)」からの資金流出が止まらないというのは疑問だ。一度資金流出が始まると、なかなか止まらないというのも、現在の投資信託業界の問題点であるといえよう。

「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(為替ヘッジなし)」が4月も純資産残高トップをキープ

4月の純資産残高トップは、3月に引き続き「グローバルESGハイクオリティ成長株式ファンド(ヘッジなし)」だった。

同ファンドの純資産残高は、4月30日時点で1兆964億円と、1兆円を超えている。同ファンドはESGへの取り組みを通じ、長期にわたって質の高い成長が期待できる企業に投資する。ESG投資への関心が個人投資家にも広まってきており、順調に純資産残高が増えているのだ。また、4月末時点における騰落率は、以下のようになっている。

1カ月 6.23% 3カ月 8.49% 6カ月 20.18% 設定来(2020年7月17日~) 24.35%

このように高いパフォーマンスをだしているので、今後も同ファンドの人気は継続する可能性が高い。1兆円を突破し、どこまで純資産残高を増やせるかに注目だ。

また、「グローバル・プロスペクティブ・ファンド」が3月の3位から2位に浮上している。同ファンドは、世界の上場株式の中から「破壊的イノベーション」を起こし得るビジネスを行う企業に投資する。ただ同ファンドの基準価額は、2月15日につけた最高値30,883円から3月上旬にかけて27.7%と大きな下落となった。景気回復期待から長期金利が上昇し、高PERのハイテク株などのグロース株が売られたからだ。組入銘柄にテスラやバイドゥなどのグロース株が多く、基準価額が大きく下がったのだ。しかし、4月はマーケット環境も落ち着き、同ファンドの4月の騰落率は4.62%と好調だった。市況の回復と、基準価額が下落した局面で買いを入れた投資家が多かったことから、順位を上げたと考えられる。5月以降も順調に純資産残高を増やせるかに注目だ。