投資信託全体の騰落率1位は「米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジなし)」(12.63%)
3月の投資信託全体の騰落率1位は米国インフラ・ビルダー株式ファンド(為替ヘッジなし)の12.63%だった。

同ファンドは、米国におけるインフラに関わる企業の株式に投資する。3月31日時点の業種別構成銘柄は、以下の通りである。
3月の米国株式は上昇した。米国の代表的な株価指数であるNYダウの月間上昇率は6.6%と、昨年11月の11.8%以来の大きさとなった。また、バイデン政権が8年間で2兆ドル(約220兆円)規模のインフラ投資計画を発表したことも、同ファンドの追い風になった。さらに、米10年利回りが1.7%台に上昇したことから、ドル高・円安が進んだことも、好調なパフォーマンスの要因となっている。
バイデン政権が発表した大規模なインフラ投資計画は、同ファンドの対象銘柄であるインフラ関連企業の業績を長期で押し上げる可能性が高い。ただ、純資産総額が80億円のファンドで、過去6カ月は約15億円の資金流出となっている。4月は資金流入になるかどうかに注目だ。
3月のリターンランキングでは、米国高配当株式ファンドを中心に、米国株式ファンドが多い。3月はバリュー株、とくに配当利回りの高い銘柄が物色されたことに加え、ドル高・円安が進んだことがプラスになった。
ただ、これまでグロース株(成長株)優位の展開だったので、バリュー株ファンドからの資金流注が続いている。たとえば、3月リターン3位の「野村インデックスファンド・米国株式配当貴族は23.95億円、4位の米国株式配当貴族(年4回決算型)は19.26億円(いずれも過去6カ月)の資金が流出しているのだ。
3月はバリュー株のパフォーマンスがグロース株よりも優れていた。4月はバリュー株ファンドから資金流出が止まるかどうかに注目している。
