運用会社のガバナンスについて、日本では多くの運用会社が大きなファイナンシャル・グループの子会社であるケースが多く、経営の独立性が保たれているか? ファイナンシャル・グループの一員であるために、ファンドの受益者が不利益を被ってはいないか? などが厳しくチェックされるようになってきている。金融リテール専門誌『Ma-Do』が実施した「運用会社ブランドインテグレーション評価2022」で、販売会社の担当者に運用会社のガバナンスについて聞いたところ、20代、30代の若手と40代以上のベテランの間で、ガバナンスを評価するポイントに差異があることが明らかになった。
 

 

「運用会社ブランドインテグレーション評価」は、投信販売会社が運用会社を評価する調査で、運用会社について「運用力」「商品開発力・企画力」「営業担当者・研修担当者の質」「サポート力」「ブランド力」「ガバナンス」の6つの軸で評価してもらい、得点順にランキングした。2022年調査は9月~10月にWEBで実施し、国内外の運用会社36社を評価の対象とし、310件の回答を得た。回答者の年齢構成は、20代と30代が合わせて40.3%、40代以上で59.7%だった。

若手は「ガバナンス」向上に役職員の努力を評価

運用会社の「ガバナンス」に関して販売会社が評価するポイントは、若手とベテランの別なくトップは「受益者本位の商品組成や効率的な運用」(若手は22年の回答率が54.4%、ベテランは63.2%)だったが、2位以下の評価ポイントで若手とベテランの考え方が分かれている。ベテランは、2番目に高い評価を「経営陣の資産運用ビジネスに関する経験・理解」に置いている。この項目についてベテランは、21年は58.4%でトップの評価項目にしていたが、22年も59.5%と依然として高い評価を与えている。

一方、若手は「顧客利益を重視するために役職員を評価する環境」を22年は51.2%の回答率で2番目に重視する項目にしている。21年の回答率が49.5%で3番目の評価項目だったことから評価を上げている。