2000億円以上集める人気銘柄

「セゾン資産形成の達人ファンド」が人気です。純資産総額は設定から順調に増加し、2022年7月には初めて2000億円を突破しました。パフォーマンスも良好で、設定来リターンはおよそ218%に上ります(2023年1月時点)。

【セゾン資産形成の達人ファンド】
 

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成

なぜセゾン資産形成の達人ファンドがこれほど資金を集めるのか、理由を探ってみましょう。

97%以上の人がプラスで話題に

セゾン資産形成の達人ファンドの純資産総額は、リーマンショックに見舞われた2008年を除き毎年増えています。特に2019年から2021年にかけて大きく増加しました。

【純資産総額の増減額(年末時点)】
 

出所:投資信託協会「投信総合検索ライブラリー」より著者作成

純資産総額が急増した理由は「共通KPI」にありそうです。金融庁が投資信託の販売会社に開示を求める指標で、顧客の損益率などを公開する金融機関が増えてきました。

セゾン投信も自社が運用する投資信託を直接販売しており、共通KPIを開示しています。うち、2019年5月の開示分が注目されました。セゾン投信で運用する顧客の97%以上がプラスだったのです。これが話題となり、セゾン資産形成の達人ファンドに資金が集まったとみられます。

【セゾン投信の投信顧客損益率】
・2019年3月末:97.8%
・2020年3月末:66.1%
・2021年3月末:99.4%
・2022年3月末:99.2%

出所:セゾン投信 共通KPIと実績報告

つみたてNISAも後押し

つみたてNISA対象商品に選ばれていることも、セゾン資産形成の達人ファンドの純資産総額を支える要因の1つでしょう。

2018年から始まったつみたてNISAは、2022年9月までに約2兆4476億円の買い付けが行われました。この一部がセゾン資産形成の達人ファンドにも流れ込み、純資産総額を押し上げたと考えられます。