販売会社の若手とベテラン層で、運用会社の「営業・研修担当者の質」に対する要望は、「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」、「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」という基本的な資質へのニーズが2022年に一段と高まっていることがわかった。金融リテール専門誌『Ma-Do』が実施した「運用会社ブランドインテグレーション評価2022」で、30代以下の若手と40代以上のベテラン層が運用会社に期待する「営業・研修担当者の質」についての回答内容を分析した。「営業・研修担当者の質」の評価で軸になっている「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」と「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」については、両項目共に75.8%というトップ回答率になっているが、年代別の回答を比較すると、特に40代以上のベテラン層において22年は両項目への期待が高まっている。
 

 

「運用会社ブランドインテグレーション評価」は、投信販売会社が運用会社を評価する調査で、運用会社について「運用力」「商品開発力・企画力」「営業担当者・研修担当者の質」「サポート力」「ブランド力」「ガバナンス」の6つの軸で評価してもらい、得点順にランキングした。2022年調査は9月~10月にWEBで実施し、国内外の運用会社36社を評価の対象とし、310件の回答を得た。回答者の年齢構成は、20代と30代が合わせて40.3%、40代以上で59.7%だった。

市場変動への対応は経験が必要

「業界・他社動向に詳しく商品・マーケットの知識がある」という項目に対する回答は、30代以下の若手が21年の79.4%から22年は75.2%と微減横ばいのところ、40代以上のベテラン層は21年の66.5%が22年は76.2%に上昇した。また、「ニーズや課題を踏まえた対応をしてくれる」という項目に対しても、若手は21年の73.3%が22年は74.4%と微増横ばいだったが、ベテラン層の回答は21年の70.2%が22年には76.8%に増加している。このように、ベテラン層の側に、運用会社のサポートに対する期待が高まったのは、販売会社の営業現場において、投資勧奨など運用商品の購入に関する説明は若手とベテランの別なく行われているものの、相場急変時や相場下落時における状況説明や今後の対応についてのアドバイスなど運用フォローに関する業務は、ベテラン層により負担がかかっているという役割の差があるように考えられる。