外国株式高配当株ファンドの魅力

投資の利益には、インカムゲインとキャピタルゲインがある。インカムゲインは、資産を持っているだけで生み出される収益のことを指す。たとえば、銀行預金や株式の配当、債券からの利子収入、不動産の賃料収入がインカムゲインになる。一方、キャピタルゲインは、資産を売却することによって得られる売却益のことを指す。つまり、キャピタルゲインは資産を購入してから売却するまでの期間における利益のことである。2022年は株式や債券など多くの資産が売られ、キャピタルゲインを得るのは難しかった。一方、安定的な利益が期待できるインカムゲインをメインとしたファンドに注目が集まった。外国株式のインカムゲイン狙いのファンドで人気があるのが、配当貴族などの「高配当株ファンド」と「インフラ関連ファンド」である。高配当株とは、高い配当を支払う株式で、配当とは、株主に対して企業が支払う利益。高配当株は、配当利回りが3%以上の銘柄をいうのが一般的である。配当利回りは、購入した株価に対して、1年間でどれだけの配当を受けることができるかを示す数値で、「1株あたりの配当金÷株価×100」の式で計算される。外国株式高配当株ファンドは、配当利回りが3%以上の高配当な米国株をはじめとする外国株式を投資することで、中長期的な増配や値上がりを期待することができる。

配当貴族とは

配当貴族とは、長期にわたって毎年増配を続けている企業のことである。米国では、一定期間増配した優良銘柄を集めて算出する「配当貴族指数」がある。配当貴族指数は、S&P500種指数を構成する銘柄のうち、「25年以上連続で増配」「時価総額30億ドル以上」などの条件がある。インカムゲインを狙った投資で高配当株は魅力的であり、「配当貴族指数」もその一つ。また、これらの銘柄を集めて運用する「配当貴族ファンド」も注目されている。

インフラ関連ファンドが高いリターン

インフラ関連ファンド(Infrastructure Fund)とは、投資家から資金を集めて、道路や発電所、鉄道、空港、港湾などの公益株や社会資本に投資するファンドのことである。インフラ関連ファンドは安定して高利回りが得られる投資先として人気があり、その他にも、インフラの運営会社の株式を取得したり、インフラ関連企業の株式に投資したりする場合もある。電力やガス、水道、通信、運輸などの公益企業は、日常生活に不可欠なサービスを提供している。このような企業は、一般的に景気の良し悪しに左右されにくく、収益基盤が安定しているという特徴がある。米国などの先進国では景気後退の懸念が高まっているが、そのような時でも株価の下落リスクが少ないという点が買いを集めている理由の1つである。