どうして談合は許されない?

談合とはどのような行為なのでしょうか。談合とは一般に、入札側が有利な価格で受注するために行われます。

オリンピックやリニア中央新幹線のような大規模プロジェクトは、受注すれば大きな売り上げにつながります。ただし入札はオークション形式で行われるため、受注するには他社より安い価格で応募しなければいけません。しかし、事前に入札の参加者同士で結びつき、入札価格を決めておけば高い価格で受注できます。

談合は日本だけでなく、多くの国で禁止されています。なぜ談合は許されないのでしょうか。それは、消費者の利益を損なう行為だからです。

健全な市場では企業間で競争が生まれ、値下げや技術革新を促します。ただしこれは、同じ市場で複数の企業が競争していることが前提です。企業が結託して市場を独占した場合、うまく競争が生まれません。談合は、まさにそのような事態を招く行為です。

企業が競争を放棄すると、私たちは本来安く買えたはずの商品を高く買わされたり、十分なサービスを受けられなくなったりと、大変な不利益を被ります。そのため日本では「独占禁止法」(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律)が施行されており、談合を厳しく禁じているのです。