「アクティビスト」の運用戦略

運用戦略としてのアクティビストは、端的にいうと、企業の経営に参加する手法です。一定以上の株数を買い集めたアクティビストは、「株主提案権」を行使し、株主総会で議案を提出することができます。基本的には企業価値の向上につながるような施策の実施を促し、株価の値上がりを目指すことが多いでしょう。

株価上昇は企業にとっても望ましいことですが、アクティビストから提案される施策が経営方針と食い違うことも少なくありません。その場合、村上氏と黒田電気のケースのように、アクティビストと経営陣が対立することもあります。

株式(議決権)の大部分を持つ株主は、株主総会で提出された議題や経営陣の解任を単独で決議することも可能です。そのため、アクティビストが経営陣らと対立した場合、「プロキシーファイト(議決権委任状の争奪戦)」に発展するケースもあります。ちなみに、日本初とみられる本格的なプロキシーファイトを仕掛けたのも村上氏でした。