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2018年11月12日、スルガ銀行が旧経営陣を提訴しました。スルガ銀行はシェアハウス向け物件の取得に対する不正融資で多額の損失を計上していますが、その責任を追及したものです。旧経営陣への請求額は35億円にも上りました。
なぜスルガ銀行は旧経営陣に損害賠償を請求するに至ったのか、事件の概要を振り返りましょう。
承認率99%…形骸化した審査部門
金融庁によると、スルガ銀行はシェアハウス向けの融資に際し、オーナーが取得する不動産を割り増して評価することで融資額を釣り上げていました。さらに融資審査に通過しやすいよう、オーナーの預金通帳や所得確認資料などの改ざんを促し、または自ら改ざんしていたようです。審査部はこれらの不正を把握しながら審査し、シェアハウス向け融資のほぼ全件(99%)を承認しました。
他にも、融資に際し銀行法が禁じる保険などの「抱き合わせ販売」が認められたこと、創業家ファミリー企業に対する不適切な融資が見られたこと、チェック体制の不備で反社会的勢力が口座開設に至っていたことなどが露見します。これらの事態を重く見た金融庁は、スルガ銀行に業務停止命令を含む厳しい行政処分を行いました。
出所:金融庁 スルガ銀行株式会社に対する行政処分について(2018年10月5日)
事件以降、スルガ銀行の業績は大きく悪化します。行政処分が下された2019年3月期には1000億円近い純損失を計上し、経常収益も2018年3月期~2022年3月期で600億円以上減少しました。
【行政処分以来の業績推移】
行政処分では、当時の経営陣の責任も認定されました。スルガ銀行は旧経営陣を提訴することで、同行が取り組む企業改革の姿勢を明確に示したい狙いがあったと考えられています。
【スルガ銀行の業績】
出所:スルガ銀行 決算短信より
【スルガ銀行の株価(2022年1月4日~10月26日)】