泣きっ面に蜂…東証のシステム異常で売りたくても売れない状況に

破産手続き決定を受け、Nuts株式を持つ投資家の多くは売りを急ぎました。破産手続きは、株式の価値を全て失う可能性が高い処理だからです。破産決定の翌日、Nuts株式は前日の終値30円を76%以上も下回る7円で取引を開始しました。一時10円まで値上がりしたことから、短期マネーも流入したようです。

【Nutsの株価】

ヤフーファイナンスより著者作成

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しかし、Nutsホルダーにとって予想外の事態が起こりました。最終売買日(2020年10月2日)の前日に取引所でシステム障害が起こり、Nutsを含む全銘柄で終日売買停止になったのです。

全銘柄の売買停止は2005年11月にも起こりましたが、終日停止されるのは1999年のシステム移行後初めてでした。最終売買日に取引が再開されるか、Nuts株式の保有者は大いに心配したことでしょう。

結局、東証は当日中にシステムを復旧し、Nutsも無事に取引最終日を迎えました。もっとも、Nutsの株価は1円から動かなかったため利益を得られるチャンスはありませんでした。