“海運御三家”は大丈夫? 業績をチェック

海運業は景気の影響を受けやすいといわれています。第一中央汽船の業績が悪化した理由も、リーマンショックで海運市況が大きく下落したためでした。近年は新型コロナウイルスが世界的にまん延したこともあり、他の海運株の業績が心配になっている人もいるかもしれません。“海運御三家”とも呼ばれる「日本郵船」「商船三井」「川崎汽船」の業績をチェックしてみましょう。

3社の業績を見ると、いずれも2022年3月期において大幅な増収増益となっていることが分かります。特に純利益の増加が大きく、3社とも前年同期比で数倍以上になりました。冒頭紹介した海運株式指数の上昇は、業績の急拡大を反映したものだと考えられます。

【大手海運3社の業績】

※2023年3月期(予想)は、同第1四半期時点における各社の予想

出所:各社の決算短信より

ただし、2023年3月期の予想は3社とも控えめです。いずれも増収を予想しているものの、純利益の増加を予想したのは川崎汽船のみで、日本郵船と商船三井は減益予想となりました。それを反映してか、2022年における3社の株価は大きく上昇する局面もありましたが、9月20日時点ではほぼ年始水準にとどまっています。

【2022年における大手海運3社の株価(日足終値、年始を100とした場合)】

Investing.comより著者作成

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海運株は配当の高さもあり、個人投資家から人気のある銘柄です。今後の値動きがどうなるのか、市場の関心は高いでしょう。

執筆/若山卓也(わかやまFPサービス)

証券会社で個人向け営業を経験し、その後ファイナンシャルプランナーとして独立。金融商品仲介業(IFA)および保険募集人に登録し、金融商品の販売も行う。2017年から金融系ライターとして活動。AFP、証券外務員一種、プライベートバンキング・コーディネーター。